菅首相が会見 「宣言」と「重点措置」全面解除へ(全文1)明かりは日々輝きを増している
高齢者の接種率は約9割に
第2に着実なワクチン接種の継続であります。今月もワクチン接種は1日110万回で進み、総接種回数は1億6000万回を超えました。すでに全国民の69%が1回接種し、58%が2回の接種を終え、数カ月前まではその背中も見えなかったアメリカの接種率を抜きました。高齢者の接種率は約9割に達し、実に多くの方々にワクチン接種を受けていただいております。 ワクチンの効果により、今回の感染拡大では65歳以上の感染者を10万人、死亡者を8000人減らすことができたとの厚生労働省の試算もあります。50代でも1回接種が8割程度まで進み、2回接種が6割を超え、足元の感染者数の減少や重症化の防止に大きく貢献したと考えております。 10月から11月のできるだけ早い時期に、希望する全ての国民が2回目を終えるよう接種を進めます。最終目標を8割に引き上げた自治体も多く、このまま進めば、わが国は世界でもワクチン接種が最も進んだ国の1つになります。これまでのお1人お1人のご協力が私には大変ありがたく、誇らしい気持ちでいっぱいであります。 3回目の接種も見据え、すでに2億回分の契約を結んであります。2回目の接種からおおむね8カ月以上、審議会の意見を踏まえ、年内にも3回目接種が開始できるよう準備を進めます。 第3に、日常生活の回復です。ワクチン接種によって社会全体の感染予防効果が高まり、感染者数も大きく減少してきたことで、ようやく社会経済活動の正常化が見えてきました。私自身がお約束してきた、安心とにぎわいのある日常の回復に向けて、段階的に制限の解除を進めてまいります。10月1日以降、当面はアクリル板の設置や換気などの対策を取り、認証を受けた飲食店においては都道府県の判断で酒類を提供し、営業時間は21時までとすることも可能とします。イベントについては最大1万人までといたします。
ただひたすらに走り続けた日々
このように段階的な緩和を行った上で、ワクチンの接種証明や検査結果も活用したさらなる措置を検討いたします。ビジネスに必要な国際的な人の往来についても、その制限を緩和していく方策を積極的に検討します。来月1日からは原則としてワクチン接種済みの帰国者の自宅待機を、2週間から10日間に短縮いたします。今後さらなる措置を検討してまいります。 総理に就任してから1年あまり、新型コロナとの闘いに明け暮れた日々でした。私自身、政治家を志して以来、いつも幅広い方々の話を徹底して聞き、現場で物事が動き、人々が生き生きとやっていけるよう努めてきました。自宅で療養される方々への医療、飲食など事業者の生活、子供たちの教育、生活困窮者の暮らし、そして孤独な状況に置かれた人々、そうした人々に思いをはせ、悩み抜いた日々もありました。 そうした中でたどり着いたのがワクチンと治療薬でした。無理だろうと言われながらもこれまでの発想にとらわれず、打ち手が足りなければ歯科医師や救命救急士や臨床検査技師に打ち手をお願いし、打ち手を確保し、職域での接種を導入し、そして厚生労働省だけでなくオール日本の政府で、総務省と【ウチデ 00:21:26】全国の自治体にも協力を求めるなど、全力で取り組んできました。その結果ようやく皆さんに行き渡りつつあります。 ワクチンと治療薬にめどが付きつつある中で、新型コロナとの長い闘いにもはっきりとした明かりが見えてきていると申し上げました。この言葉には数々のご批判もありましたが、今や効果は明らかであり、明かりは日々輝きを増している、このように実感をしております。また軽症者が自宅で使える飲み薬についても、早ければ年内を目指して開発が進められており、承認次第投与できるよう交渉をしっかりと進めております。ご協力いただいた全ての皆様にあらためて心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 昨年総理に就任してから1年あまり、ただひたすらに走り続けた日々でありました。全てをやり尽くすには短い期間でありましたが、長年の課題に挑み、さまざまな改革に道筋を付けることができました。4月の訪米の際にバイデン大統領に直接要請をした福島のお米や牛肉を含む日本産食品の輸入規制が先般、全面的に撤廃されました。内閣の重要な使命である東北の復興にとって大きな励みとなると思います。