菅首相が会見 「宣言」と「重点措置」全面解除へ(全文1)明かりは日々輝きを増している
5つぐらいの感染減少の要素があったと考えている
尾身:はい。第6波にどう備えるかというご質問があったと思いますけど、私は第6波にどう備えるかということに関して、今回、なぜ感染が急激に拡大して、なぜ感染が急激に落ちてきたかということを分析することが非常に重要だと思っています。 私は幾つかの要素があると思いますけど、まず前提として例の夏休み、4連休、お盆というのが重なって、急激に感染を上昇させる要素が一時期に集まりましたね。その要素が、感染上昇する要素が取れてきたということがまず1点あったと思います。それに加えて、私どもは現時点で、まだ最終的な結論をするにはデータが不足しています。現時点では、私はだいたい大きく分けて5つぐらいの感染減少の要素があったというふうに考えています。ただし、それぞれの5つの要素が感染減少にどれだけ寄与したかということを、まだ今のところでは数量的に、定量的に分析することは、これからの課題だと思います。 それで5つの要因と申しますのは、まず最初の2つは人々の努力ということがあります。1番目は一般市民の協力ということで、今回は急激な感染拡大して、深刻な医療の逼迫ということがマスコミを通して一般市民に発信されたということで、これが人々の危機感を高めるということになって、今まで以上に人々が感染対策に協力してくれたということがあったと思います。 それから2番目は人流、特に夜間の滞留人口の減少というのがあったと思います。人流、特に繁華街における夜間滞留の人口というのを、8月12日の時点で5割削減をお願いしたわけですけど、その目標、5割には達しなかったものの、この6週間ぐらい、ずっと20%から30%ぐらいの夜間の繁華街における滞留人口というのが低く維持されていたということがあると思います。
なぜ感染が急減したのか、分析を続けたい
それと、これはまだ分析で、こういう仮説を今われわれ持っていますが、ワクチン未接種者の人たちが夜の滞留人口なんかに、より集中的に避けてくれたと、減少してくれたという部分があったと思います。それが2つ目です。 3つ目は、先ほど総理からもお話がありましたように、ワクチン接種の効果というのが、私は確かにあったと思います。実効再生産数の推移などを見ますと、ワクチン接種率の向上が感染の減少に寄与したという可能性はあると思います。本当の意味の詳細な分析は、ワクチンだけじゃなくて、自然感染した人も一定程度いるので、そうした意味では抗体保有率の厳密な調査がこれから待たれると思います。 それから4番目ですけども、医療機関。これはあまり語られておりませんけども、医療機関、高齢者施設での感染者の減少ということがあって、これまでは若者を中心に感染が、起点がありましたけれども、それが後半になって高齢者に伝わったということですけども、今回はワクチン接種があったために、そして院内の感染防止対策も以前に比べて進展した、高齢者の感染があまり増えなかったということで、今まではずるずるといった、それがなかったこともあったと思います。 それから、なかなかこれは、証明は難しいんですけども、気温や降水などの、雨ですね、こういう気象の要因も関与したんではないかと思います。そうしたことで、これからもわれわれ専門家としてはさらに、なぜ感染が急激に減少したかということの分析を続けていきたいと思っています。 司会:それでは続きまして読売新聞、黒見さん、どうぞ。