【定年後・60歳からの働き方⑤】就職・転職に悩む人をサポートする「キャリアコンサルタント」。 56歳で国家資格を取得し、定年後はフリーランスで活動予定
「適材適所」を見つけ、多くの人が希望の職場で働けるように支援
Q:現在は、定年後の再雇用で会社に勤務中とのことですが、すでにキャリアコンサルタントとしての活動としては、どのような業務をされていますか? 秋間:資格を取得後、会社に副業の申請をしまして、現在は会社員を続けながら、キャリアコンサルタントの仕事もしています。不定期ですがおもに週末、学生のキャリアコンサルタントをしていまして、もう3年目になります。 大学生の場合は、「夢はある。でも、社会を知らない段階なので、それを実現するにはどういう方法があるのかわからない」という状況だと思います。ですから、そういう学生には具体的にどんな場所で、どんなキャリアを積んでいったらその夢に近づけるのか、という話をしていきます。また、そもそも夢が見つからないとか、どんな仕事をしたらいいのかが見えていないという学生も多いです。そういう学生には、まず「その人の強みは何なのか」「それをどうやって生かすか」といったことを話しながら探っていくことになります。 一方、セカンドキャリアについての相談を受けることもあります。こういう場合はまず『キャリアの棚卸し』をすることから始まります。今までどんな業務をしてきて、何が得意で本当は何が好きなのか。それを整理する作業を一緒に行いながら自己理解を深めていきます。つまりキャリアコンサルタントの仕事というのは、働きたいと思っている人の知識や経験を活かして、適材適所を一緒に探す仕事なのだと思います。
傾聴力を高め、より信頼されるコンサルタントに
Q:今後はどのようなお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか? 秋間:再雇用終了後はフリーランスとして活動していきます。これまで会社の人事部内で人材育成にかかわる仕事もしてきましたので、「求職者のキャリアコンサルティング」と併行して、「経営者側の人事面でのビジネスコンサルティング」も手がけたいと思っています。具体的には、人材開発、マネージャー育成などの支援を考えていまして、そのために現在は傾聴力を磨くためにコーチングの勉強もしています。 キャリアコンサルタントにとって最も重要な能力は「傾聴力」といわれています。「聴く」とは目と耳と心で聴くのだそうです。そのスキルもいっそうブラッシュアップしていきたいと思っています。 また、コンサルティングにおいては、「相談者の心理的安全性を担保し、信頼関係を築いたうえでしっかり話を聞いていく」ということが重要です。相談者が何を、どう話すかは、対応したキャリアコンサルタントによって、全然違ってくるんです。まずは「どのように問いかけるか」、そして「相談者が返した言葉をどう受けて、それに対してどういう方向に話を持っていくのか」はコンサルタントによって異なります。