【防災の日】被災地で過ごす女性がリアルに困ることって?災害用女性下着ブランド代表が実態を語る!
震災が相次ぐ今、防災意識を高めざるを得ない状況が続いています。被災地の女性の困りごとや女性への支援についても、話題に上がる機会が増えてきました。被災地では、実際にどのようなことやものが求められているのか、災害用女性下着を制作する『Amcas』の代表で、被災地でのボランティアを続けている表早紀さんへインタビュー。彼女が感じた被災地の実態や、女性を取り巻く環境についてお話を伺いました。 【写真】女性用防災セットおすすめ10選
被災地で女性がいちばん困るのは、性被害と“プライバシーがないこと”
──まずは、表さんご自身がボランティアを始めたきっかけを教えてください。 表さん:両親がボランティアにすごく熱心だったので、その影響が大きいですね。あとは中学・高校とアメリカの学校に通っていたのですが、どちらも毎年100時間以上ボランティア活動をしないと進級できなかったこともあり、ボランティアというものが比較的に身近にありました。 私が高校に上がる直前くらいの時期に熊本で震災がありました。災害が起きてから2~3週間後にボランティアに参加したのですが、そこで女性ならではの防災や備蓄が足りていないこと、言い出しにくいことが多いこと、発言するとワガママに見られてしまうのではというプレッシャーや、ストレスを抱える人たちを見て、何かできないかと考えたのが災害用女性下着ブランドの起業につながっています。 ──避難所を訪れて、まず受けた印象はどんなものでしたか? 表さん:とにかくプライバシーがないことですね。その地域に住んでいる人たちが避難所に集まっているので、知り合い同士の方ももちろんたくさんいて、そんな中で雑魚寝状態の共同生活をしていかなければならない。プライバシーがないのってこんなにも不安なことなんだと初めて知りました。 女性の財団の方々やボランティアに行かれた方の話を聞いていると、被災地での性被害の話も耳にします。そういった被害についてあまり表には出ないし、自分の中で抱え込んでしまって、10年以上たった今も心に傷が残り、カウンセリングに通われている方もいるそうです。 たとえ性被害に遭わなくても、見られないように布団の中で着替えたり、下着を干すのをためらったり。あとは洗濯ができないからショーツにナプキンをつけて、それを取り替えて生活していたけれど、そのせいでデリケートゾーンが炎症を起こしてしまったり、ストレスによって不正出血してしまったりという声もたくさんあって。そういった変化を経験した方々の声をきちんと聞いて、私たちは防災や備蓄をしなければならないと思います。