【防災の日】被災地で過ごす女性がリアルに困ることって?災害用女性下着ブランド代表が実態を語る!
女性に必要なものが男性に理解されない現状。物資を配分することも難しい
──それ以外に、避難所で女性が困ることはありますか? 表さん:避難所のボランティアでは力仕事が多くなるので、どうしても男性が中心にいたり、リーダー的な立場になりがちです。それは仕方のないことですが、女性の声が届きにくいという実態もあります。今年起きた能登半島地震のお話を聞いていると、女性の生理用品が必要だという意見を男性が断ってしまう、という事案が発生しているらしくて。男性側の知識不足で、女性に絶対必要なものなのに、ワガママととらえられてしまうこともあるようです。 私も輪島市に下着を送らせていただいたのですが、限られた個数のものを“平等に”分けることも難しいんです。避難所によって男女の比率は違うのに、“平等に”分けることを遵守しすぎて必要な人のところに届かなかったり…。 避難所の人数や男女比をデータ化して共有して、と考えたりもしたのですが、女性が多い避難所を選んでボランティアに行こうとする人が現れたりもするので、簡単にはできなくて。とにかく課題が山積みなんです。
命をつないだあとの、メンタルケアも必要な支援
──必要なものが届かない環境で過ごすのはつらいですよね。体だけでなく、心への影響も大きそうです。 表さん:はい、被災地ではメンタルへのダメージも深刻です。最初の数日を乗り越えても、その後の避難生活の長さが大変な負担になってきます。どうしても命を守ることに目が行きがちですが、娯楽がないことってすごくストレス。Wi-Fiもない環境で動画を見ることもできず、何も楽しみがないんです。 だからボランティアに参加する人がWi-Fiのルーターを持っていくとか、子どもがいる避難所へ何か工作できるようなものを持っていくだけでも、避難されている方の気持ちはすごく楽になるみたいです。メンタルをケアする制度が整備されるのが理想ですが、それがまだ何もない分、気づいた人が声をあげたり、気持ちを楽にしてくれるものを届けることで、少しでも心の支えになれたらいいですよね。