新春インタビュー サッカー日本代表・森保一監督「FIFAランクでわれわれより上(日本は15位)のチームと戦いたい」 世界一へ選手層、戦術の幅広げる
2026年に米国、カナダ、メキシコで共催されるW杯の出場権獲得を目前にしているサッカー日本代表の森保一監督(56)が、新年の抱負を語った。世界一を目標に掲げる指揮官は本大会前年の25年を「進化」の年と位置づけ、9月以降の親善試合では欧州や南米の強豪とのマッチメークを熱望した。(取材構成・山下幸志朗) ――昨年を振り返って 「確実に進化、前進できている。得点力を上げることと同時に、守備の強化ができた。個々の選手たちが世界トップの基準を目指して、力を確実に付けてくれている」 ――8大会連続のW杯出場に王手をかけている。今年はどんな1年に 「まずW杯の出場権が取れるように(3月20日の)バーレーン戦に挑みたい。数字上ではかなり有利だが、完全に決定となることが一番大切。隙や油断がなく、凡事徹底していきたい」 ――今年を漢字一文字で表すと 「『進』じゃないですかね。さらに進む、進化する。自分たちが常に力つけることを考えています。または増幅の『増』。パワーアップという意味で」 ――力をつけるのは特にどの部分か 「勝つ力。細かく言えば選手層を厚くしていくことや、戦術の幅を広げたい。戦術の幅を広げるというと聞こえはいいが、ややもすると(チームが)混乱する。立ち返る場所が見えなくなることもあり得るので、立ち返る場所は忘れることなく、本末転倒にならないようにしたい」 -―8強で敗退した24年のアジア杯の反省は 「大振りのどストレートばかりパンチを繰り出してもカウンターでやられてしまうというところが出た。守備が甘くなったところを見直すいいきっかけになった」 ――W杯本番を100%とすると、現在のチームの完成度は 「予選後の9月から親善試合ができるようになると、また新たに見えてくるものもあると思います。そういう意味では半分。50-60%じゃないですかね」 ――昨年は3バックに挑戦した。今年はどんなことに挑戦したい 「チャンスがあれば3バックも4バックも試したい。これまではほぼ守備(固め)の時間帯で3バックを使っていたのを、昨年は攻撃的な選択として使うことができた。同じシステムでも攻撃の積み上げができた」