なぜ浦和レッズの指揮官は規律違反のMF柏木陽介を「チームに受け入れることができない」と厳しく批判したのか?
沖縄県が独自の緊急事態宣言を発令して、不要不急の外出自粛を要請。さらにJリーグからもキャンプ中の外食を控えるように通達が出されていた状況も合わせて考えたときに、特に繰り返し規律違反を犯した柏木の言動が、浦和を精神的にも動揺させているとスペイン出身の指揮官は示唆した。不退転の決意を物語るように、違反行為発覚後は柏木とはまだ話をしていないとも明かしている。 対照的に練習へ復帰している杉本とはしっかりと話し合い、現場を預かる責任者として「このようなことが繰り返されれば、受け入れられなくなる」と柏木に通じる、ぶれない考えを伝えている。 「今回の件で失望したと伝えました。また、復帰するにあたってチームメイトやコーチングスタッフ、その他のスタッフに対する借りがあるという話もしました。彼は今後のピッチ内の振る舞いでしっかりと自分の態度を証明し、信頼を再度勝ち取っていくことが大事だと思います。今後は浦和のためにしっかりやってもらいたい、ということも伝えました」 11日には今シーズンのキャプテンを、9月に40歳になる大ベテランのMF阿部勇樹が務めることも発表された。浦和のキャプテンをさかのぼっていけば昨シーズンのGK西川周作、柏木、そして阿部に行き着く。オンライン取材で4年ぶりに阿部を再任させた理由を問われたロドリゲス監督は、阿部の人間性に加えて、今回発覚した柏木と杉本の規律違反とも関連していると明かした。 「まずはフロントの方々と話をして、選手の人間性の情報などをうかがいました。それにプラスして、自分が実際に練習などピッチで見たことを組み合わせて決めました。ベテランであるにもかかわらず常に練習へ全力で挑み、規律も守っていて、浦和の歴史も知っている。今回浦和のなかで規律違反の問題が起こってしまいましたが、彼と話をしていると、価値観というところも近いのかなと感じました。若手の模範になるし、海外での経験もある。現時点で理想的なキャプテンだと思いました」 4年間の歳月を費やして、徳島ヴォルティスにボールポゼッションをベースに複数のシステムと、前線から激しくボールを奪いにいく時間帯と自陣にリトリートするそれとを使い分ける戦い方を伝授。7年ぶりのJ1復帰へと導いた手腕を評価され、このオフに浦和の新監督に就任した。