【パリ五輪バスケ】1次Lで苦戦したフランスがNBA軍団のカナダを撃破し準決勝進出、NBA組の不発をユーロリーグ組がカバー
ウェンバニャマ「ゲームプランはチーム全体を巻き込むことだった」
フランス男子代表は7日、パリ五輪の準々決勝でカナダ代表と対戦し、82-73で勝利を収めた。 この試合、フランスは長らくチームの中心を務めるルディ・ゴベア、エバン・フォーニエの両ベテランを先発から外した。この荒療治が功を奏し、第1クォーターはゴール下、3ポイントシュートの両方からバランスよく得点。さらに、相手ガードとのスピードのミスマッチに苦しんでいたゴベアを下げたことで守備のバランスも良くなり、第1クォーターで23-10とロケットスタートに成功。 前半で16点の大量リードを奪うと、カナダの反撃をくらった後半に入っても、フリースロー本数で42-25の大差をつけたことが示す通り、最後までアグレッシブな攻めを貫いて逃げ切った。 フランスはエースのビクター・ウェンバニャマが12リバウンド3スティールと守備で大きなインパクトを与えたが、オフェンスはフィールドゴール10本中2本成功の7得点と不発。フォーニエは15得点を挙げたが、ニコラス・バトゥームは33分33秒の出場で0得点、ゴベアは3分41秒の出場に留まるなど、NBA組の得点は合計22得点にとどまった。 しかしフランスは彼らを補うかのように、ユーロリーグでプレーする選手たちが躍動。グエルション・ヤブセレの22得点、イサイア・コルニエの20得点、マティアス・ルソーの13得点などで計60得点を挙げた。 バスケットボール界における世界最高峰はNBAだ。だからこそ、フランスがユーロリーグ組の大暴れによって、NBA軍団のカナダを破ったことは世界中のファンに少なくない衝撃を与えた。だが、ビンセント・コレットヘッドコーチにとっては予想の範疇だったようだ。 リトアニアのバスケットボールメディア『Basketnews.com』は、計14本のフリースロー試投数などゴール下で大きなインパクトを与えたビッグマンのルソーについての指揮官のコメントを報じている。 「確かに人々はNBAの選手たちに注目している。マティアス(ルソー)は今年のユーローリーグでおそらく最高の選手だった。パナシナイコスで優勝し、MVPを受賞するのも先の話ではないだろう。だから、彼の活躍は驚きではない」 さらにコレットヘッドコーチは、「なぜ彼がNBAでプレーしていないのか。彼を獲得しようとするNBAチームが出てこないのが理解できないよ」と続けた。 グループリーグのフランスは攻守がうまく噛み合わず、「メダル候補」の下馬評を裏切る低調なパフォーマンスだった。しかし決勝トーナメントに入ってからは見事な復調ぶりを見せている。 ウェンバニャマは「ゲームプランはチーム全体を巻き込むことだった。この試合、チーム全体でアシストは20近くあったと思う(実際は19)。それは良かったことだ」とカナダ戦の勝因を語る。 フランスの準決勝の相手は、グループリーグで前半を21点ビハインドで折り返し、そのまま71-85で力負けしたドイツだ。だがウェンバニャマは、「僕たちはトーナメントの最終盤に向けて、良い土台を作ることができている」と、逆境を乗り越えた今のチームに自信を見せる。 フランスはドイツに敗れた4日前とは全く別物のチームとして、東京五輪に続くファイナリストをかけた戦いに臨めそうだ。
バスケット・カウント編集部