阪神は本当に泥沼から脱出できたのか…解消できていない得点力不足の理由
開幕ダッシュに失敗した阪神が本拠地の巨人戦では2勝1敗と勝ち越して上昇気配を見せた。新型コロナ感染で離脱していたエース青柳晃洋(28)と新外国人のアーロン・ウィルカーソン(32)の先発2人に勝ちがつき、16日は、新勝利方程式の湯浅京己(22)ー岩崎優(30)で逃げ切った。だが、一方で打線には上向きの兆候は見られない。今日19日からは5位の横浜DeNAとの3連戦。今季初勝利を挙げ、昨季14勝11敗と相性のいい相手を巻き返しのきっかけにできるのか。
青柳復帰と新勝利方程式に見えてきた上向き兆候
伝統のTG戦で阪神は息を吹き返したかのように見えた。まずは15日に“幻の開幕投手”の青柳が8回1失点の力投を見せ、2番で起用された佐藤が逆転の4号2ラン。ロハス・ジュニアの追撃2ランもあり巨人を寄せ付けない内容で連敗を6で止め、やっとのことで今季2勝目をつかむと、翌日は、新外国人のウィルカーソンが初登板で6回1失点の及第点のピッチング。しかも、7回アルカンタラ、8回湯浅、9回岩崎の新勝利方程式がゼロを3つスコアボードに並べて1点差ゲームを逃げ切った。 だが、3連勝を目論んだ17日は1-3で敗れ、チーム打率.220、1試合平均のチーム得点2.35もリーグワースト。チームの課題は解消できていない。 阪神のここからの巻き返しは可能なのか。 順位予想で阪神を優勝とした巨人、楽天、西武などで参謀を務めた現新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏は、「上向きの兆候は見えた」と評価している。 「まだ1試合、2試合の結果で結論づけることはできないが、チームが抱えていた課題のいつくかが解消できる可能性が出てきた」 橋上氏が指摘する1つ目の課題解消点は先発ローテーの確立だ。 新型コロナの影響で青柳、藤浪、伊藤らが離脱したことで崩壊していた先発ローテーに青柳が復帰したことで軸ができ、加えて新戦力のウィルカーソンに使えるメドが立った。 「安定感がありゲームを作れる青柳が戦列復帰したことが大きい。西はイニング数は稼いでくれるが10勝したら10敗する投手。貯金を稼ぐことのできる投手が1枚いないとローテーは機能しない。新外国人のウィルカーソンは苦労せずストライクが取れるタイプだし、同じ腕の振りでフォークのように低めに落としてくるチェンジアップはカウント球にも勝負球にもなる。巨人打線は苦労していた。立ち上がりと後半にボールが浮いたが、今後、投げ込んでいけば安定感が増すと思う。対戦が一回りして相手が慣れてきたときにどうだろう?という不安があることはあるが、藤浪や伊藤が離れている現状では非常に大きな存在だろう」