バスケ界では八村塁が“苦言” 野球も代表チームの“在り方”に議論も、プレミア12で見えた課題
野球日本代表・侍ジャパンは11月24日のプレミア12決勝で台湾に「0-4」で敗れ、準優勝に終わった。出場辞退選手が続出するなどチーム編成にも苦しんだ中、「大会や日本代表の存在意義」に対する議論も起こりつつある。 【写真】今回のプレミア12 最も話題を集めたのはやはりこの選手か 「台湾は優勝を目標に準備を入念に行なっていた。大会中もスコアラーが必死にデータ収集している姿を見かけるなど、勝利への執念を感じた。ベストメンバーが揃わない中でも他国をどこか上から目線で見ていたように感じた日本の敗戦は必然だったかもしれない。勝てた大会だっただけに本当に悔しい」(球界OB) 侍ジャパンの井端弘和監督はシーズン中にメンバー選考のために各球団行脚を行ってチームを作り上げた。しかし宮崎合宿直前には岡本和真、吉川尚輝(ともに巨人)、伊藤大海、万波中正(ともに日本ハム)の4人が故障で出場辞退するなど、思惑通りのチーム編成ができない部分があった。 「他にも所属球団を通じ、予め辞退を申し入れていた選手もいると聞く。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や五輪なら何があっても出たい大会だが、プレミア12はそこまでの価値がないと思う選手もいる」(NPB関係者) 「時期的なものも含めて大会がどういう位置付けなのか。価値みたいなものもある」とNPB選手会事務局長・森忠仁氏もコメント(11月25日付/デイリースポーツ)。メジャーリーガーも参加するWBCや4年に一度金メダルを目指して戦う五輪以外の大会はなかなか代表に“重み”が出てこないというのが現状だ。 「他国もプレミア12を重視していないのは明らかだった。米国代表は11月21日の日本戦先発が44歳のリッチ・ヒル。世界一を目指す大義名分は掲げても、実質はマイナーリーガー中心の選手の構成。シーズン終了直後の疲労も溜まっているこの時期、無理してまで出場する気にならないのも理解できる」(球界OB) 時期を同じくしてバスケットボール界では、NBAのレイカーズでプレーする八村塁が日本代表の在り方について協会を批判するような発言が物議を醸した。「強化試合と銘打ちながら実質はお金稼ぎの興行になっている」という意見は、侍ジャパンにも当てはまる側面もありそうだ。