年間女王の竹田麗央をサポートする母の存在 来季からの米ツアーも二人三脚で挑む
【若手記者コラム】今季の女子ゴルフの主役は、まぎれもなく竹田麗央だった。初優勝したシーズンでの8勝は史上最多。獲得賞金2億6573万16円はシーズンのツアー史上最高額。文字通り〝女王〟にふさわしい圧巻の成績を残した。 【写真】キャディーの母・哲子さんとラインを読む竹田 地元・熊本で初優勝を飾った「KKT杯バンテリンレディス」の優勝会見。今後の目標について問われると「3年後くらいには米ツアーにいきたいと考えている。(国内ツアーで)10勝くらいしてからいきたい」と海外挑戦への青写真を描いていた。だが、そこから周囲はおろか、本人にも想像以上の勢いで勝利を積み重ねた。次週の「フジサンケイレディスクラシック」で2週連続V。国内メジャーも2連勝。日米の両ツアーを兼ねる「TOTOジャパンクラシック」で8勝目を挙げ、一気に来季の米ツアー出場権を獲得。今季最終戦の直後には「8勝できるとは思っていなくて、びっくりするような1年でした」と話していた。 一気にスターダムを駆け上がった竹田麗央。その活躍の裏には、いつも母・哲子(さとこ)さんの姿があった。毎試合に付き添って運転などゴルフ以外のことをサポートしながら、試合では竹田の組に18ホール帯同。それだけではなく、キャリングボードのボランティアや、竹田の応援グッズを持ったギャラリーを見かけると「竹田の母です。いつもありがとうございます」と丁寧に頭を下げてあいさつしている姿を何度も見かけた。自身もプロゴルファーだが、「ゴルフの話は麗央から聞かれなければ、ほとんどしないです」。ギャラリーに紛れて、いつもそっと娘を見守っていた。竹田が競技後にサインの求めに応じる際には、横に立って色紙を預かり、効率良くサインが進むためのサポートまでしていた。年間女王が確定した「伊藤園レディス」競技後の会見。竹田は「ゴルフに集中できるように身の回りのことをやってくれていたので、すごく感謝している」と改めて母への感謝を口にした。 6ホールに及んだプレーオフを制して来季の米ツアー出場権を獲得した「TOTOジャパンクラシック」最終日。日没時間が過ぎて暗くなったグリーンサイドで、正規の18ホールに加えてプレーオフの6ホールも帯同した哲子さんは、「私も米ツアーにいこうと思います。麗央に負担がないように手伝うことしかできない。私はプレーしているわけではないので、あまり大変ではないですよ。麗央に『もう帰っていいよ』って言われるまでは行く予定です」と笑顔で話していた。来年1月から始まる米ツアーでの戦い。海の向こうで、心強い母と二人三脚で奮闘する竹田に、世界を驚かせてもらいたい。(鈴木和希)