【白井元調教師と学ぶ血統学「温故知新」】 　元ＪＲＡ調教師の白井寿昭氏に指南役をお願いし、様々な角度から血統を考える連載の第１６３回。長きにわたった〝温故知新〟の連載を総括していく。血統とは何か？　どうして血統が必要なのか？　この難しいテーマを楽しく学んでいく方法は？　連載当初から支えてくれている〝白井信者〟の方のみならず、最近に競馬を覚えたライトファン、これから深く競馬に関わりたいと考えている人にまで伝えたい競馬の魅力──。しっかりと胸に刻んでいただきたい。 　東スポ競馬・関西地区本紙担当であり、白井氏との親交も深い松浪大樹記者のナビゲートを楽しめるのも残り数回。連載の最終局面をご堪能下さい。

白井氏が語る血統の魅力とは？

白井氏が手掛けたダービー馬スペシャルウィークはサンデーサイレンスの産駒

　松浪大樹（東京スポーツ記者＝以下、松浪）長きにわたった先生の血統学。僕のライフワークでもありました〝温故知新〟のまとめに入りましょう。もちろん、１回で終わらないと思っていますし、終わらせるつもりもありませんが（笑い）。 　白井寿昭氏（元ＪＲＡ調教師＝以下、白井）そうやな。これまでも時間をかけてやってきたわけやし、じっくりと話をしていこうか。 　松浪　では、最初に先生が考える血統の魅力から、おさらいしていきましょうか。この連載のメインテーマでもありましたし。 　白井　松浪君から今回の話をもらったとき、どのようにして血統の魅力を伝えるか？　それを考えたもんやけど。でも、血統の話をすると楽しいやんか。だから、ポンポンと言葉が出て。 　松浪　確かに。自然と話が進んでいった。そんな感じでした（笑い）。 　白井　その楽しさこそ、血統の魅力と思うよ。競馬をよく知る、よく知れるというかね。 　松浪　いま、競馬が好きという人も血統を知れば、もっともっと競馬を好きになれる。こういうことですね。 　白井　競馬を好きになって、夢中になればなるほど、血統について勉強したくなる。僕もそうやったし、松浪君もそうやったろ？ 　松浪　はい。自分の知っている馬、好きだった馬が血統表の中に出てきたとき、何とも言えないうれしさがありました。 　白井　自分の手掛けた馬とかね。うれしいもんだよ、本当に（笑い）。