ヴィッセル神戸の新体制に見える不安
ファン・サポーターから物足りなさが指摘される補強戦略へ、平野SDは問題なしを強調した。しかし、早くて2月上旬とされていた補強の目玉となるリンコンの来日は、政府内で検討され始めた、7日に期限を迎える緊急事態宣言の延長が正式に決まればさらに遅くなる。 神戸のフィジカルコーチが、文書および動画を介してメニューを送付。ブラジルでコンディション作りに励んでいるリンコンだが、来日後も2週間の自主待機期間が求められるため、ホームのノエビアスタジアム神戸にガンバ大阪を迎える、今月27日の開幕戦にはまず間に合わない。 ACLで右足大腿直筋近位部腱を断裂したイニエスタは、大会敗退後に集中開催地の中東カタールから母国スペインへ向かって緊急手術を受けた。幸いにも順調な回復ぶりを見せ、昨年末には家族とともに来日。先月27日に更新した自身の公式インスタグラムへは松葉杖を手放す動画を投稿したが、全治4ヵ月の重症だけに、再発させないためにも序盤戦では欠場を続けざるをえない。 昨シーズンに続いてオフの大型補強が鳴りを潜め、唯一の期待を託せる新ストライカー候補にも来日のめどが立たず、さらには開幕から当面は大黒柱を欠いて戦わなければいけない。天皇杯決勝を制して悲願の初タイトルを獲得し、クラブ全体が上昇気流に乗っていた昨年とはあまりにも対照的な「不安」の二文字が、新体制及び新加入選手発表会の映像越しに何度も伝わってきた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)