ヘタフェ移籍の久保建英が語った”揺れる東京五輪”への思い…「今の状況で出たいと言うつもりはない」
今冬の移籍期間で期限付き移籍先をビジャレアルから同じラ・リーガ1部のヘタフェへ変えた、日本代表MF久保建英(19)のクラブ公式インタビューが日本時間28日に公開された。 ヘタフェの公式ウェブサイトや公式ツイッター(@GetafeCF)などにアップされた、スペイン語と日本語でそれぞれ質疑応答に応じた動画で、久保はヘタフェ加入から3週間近くが経過した心境や自身の性格などに言及。主軸として期待される今夏の東京五輪に対しては「まずは」と前置きした上で、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るう状況下で生きる一人の人間としての思いを優先させた。 「健康が第一なので、いまこの状況でオリンピックに出たいと言うつもりはまったくありません」 累計の感染者数が全世界で1億人を超えるなど、新型コロナウイルスの感染が収束する兆しはまったく見えていない。今月23日に開幕まで半年の節目を迎えたなかで、ニューヨーク・タイムズ紙が「中止に追い込まれる可能性がある」と報じるなど、東京五輪の開催を危ぶむ声が海外メディアで上がり始めた。 日本国内でも一部の世論調査で「約80%が今夏の開催に反対」という結果が出たなかで東京五輪を目指すアスリートたちもさまざまな反応を見せ始めている。例えば種目を鉄棒だけに絞り、4大会連続の五輪出場を目指す体操の内村航平は、先に報じられた日本テレビのインタビューで悲痛な思いを明かしている。 「もしこの状況でオリンピックがなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない。それぐらい喪失感が大きい。それだけ命懸けで、東京オリンピックを目指すアスリートはやってきている」 4年に一度開催されるスポーツ界最大のヒノキ舞台が、さらに1年延期されたなかで必死にコンディションを作り直し、モチベーションを繋ぎ止めてきたアスリートが抱く偽らざる思いと言っていい。 対照的に昨年12月の陸上日本選手権女子10000mで日本記録を18年ぶりに更新して優勝し、2大会ぶり2度目の五輪代表に内定した新谷仁美は、新型コロナウイルス禍における東京五輪の開催について「国民の理解が得られなければ、開催する意味はありません」と一貫して声をあげてきた。