空き巣犯は表札に“マーキング” 冬は事件が増加 “狙われやすい家”の特徴&防犯対策を元警視庁捜査官・刑事が解説
8月以降、首都圏で「闇バイト」を使った一連の強盗事件が相次いで発生しており、不安に思っている人は多いと思います。年末年始になると「空き巣被害」が増えると言われており、防犯対策を万全にしておく必要があります。 【空き巣がいやがる!】すぐにできる“防犯対策”9選を写真で分かりやすく紹介! ところで、空き巣犯が家の表札に傷をつけたり、シールを貼ったりするなど、マーキングをしているという話を聞くことがありますが、本当なのでしょうか。また、どのような家が空き巣犯に狙われやすいのでしょうか。 空き巣犯の手口や防犯対策などについて、防犯事情に精通する日本カウンターインテリジェンス協会代表の稲村悠さんが解説します。
家の表札にマーキング
空き巣などを行ういわゆる“泥棒”はさまざまな住宅を下見し、自分にとって狙いやすい家を絞っていきます。その際、家の表札に傷をつけたり、シールを貼ったり、ペンで書いたりするなど、マーキングを行う傾向にあります。 まず、注意しなければならないのは、空き巣犯だけではなく訪問販売員や悪質な業者によるマーキングもあるということです。マーキングは、単独犯であれば自分用のメモとして、グループによるものであれば情報共有として行います。 空き巣をなりわいにしているプロの泥棒であれば、入念な下見を繰り返し、実際に数カ月以上、下見を繰り返す例もあるので、マーキングの内容がアップデートされ、より緻密な情報が蓄積されていきます。 また、表札だけにマーキングをするとは限りません。実際には、目立たない窓枠や玄関ドアの隅、郵便受け、インターホン、電気&ガスのメーター、エアコンの室外機などが挙げられます。 他にも、タギングといってマーキングとほぼ同じ概念の手法がありますが、時には目立たない場所に石を置くなどの目印を付けることもあります。マーキングの印例を紹介するので、参考にしてください。 ■マーキングの例 S/単身▽F/一般世帯(複数人世帯)▽W/女性▽M/男性▽赤/赤ちゃん▽ロ/老人▽ア/子どもが住んでいるという略(小さな子どもがいる場合に使われる)▽◎/入りやすい、狙いやすい 例えば「WS820」だと「女性・単身世帯・8時~20時まで外出」といった意味を持ちます。 また、シールの場合もあります。色による意味合いは犯罪者側で決めているので一概に同様の意味を持つといった判断はできないため、参考程度に覚えておいてください。「貼った回数」は訪問した回数、「黒」狙いづらい(男性世帯、複数世帯など)、「白」狙いやすい(女性単身、老人など)といった感じです。