なぜ鹿島アントラーズは柳沢、小笠原、相馬、中田ら”レジェンドOB”をスタッフに集結させたのか?
トップチームに目を向ければ、2年目の指揮を執るザーゴ監督を支えるコーチ陣に相馬直樹氏(49)、熊谷浩二氏(45)のOBが名前を連ね、黎明期に守護神を担ったゴールキーパーコーチの佐藤洋平氏(48)をサポートする、アシスタントコーチとして曽ヶ端氏が今シーズンから加わっている。 他のチームでプレーする選択肢もあったと明かす、鹿島ひと筋で23年間プレーした41歳の曽ヶ端氏は、最終的に引退を決めた理由を抱き続けたチームへの愛情に帰結させている。 「他のチームでプレーすることに、自分自身の気持ちの部分で乗ってくるところがなかったのが正直な思いです。選手として鹿島でこれだけ長くプレーして、鹿島で終われる幸せもすごく感じています。この先も鹿島でチームのために働ける話をいただき、チャレンジしたいと思いました」 小笠原氏や曽ヶ端氏の同期で、2014シーズン限りで引退した中田浩二氏(41)はクラブ・リレーションズ・オフィサー(CRO)に就任。協賛企業や各種団体、行政機関やステークホルダーと鹿島を繋ぐ活動に従事するなど、ピッチとは離れた部分でクラブ運営をサポートし続けている。 2018年のACL制覇を最後に、トップチームは2シーズン連続の無冠に終わっている。主力選手の大半が残留し、タイトル奪回へ向けて捲土重来を期していくJ1屈指の名門軍団を、輝かしい栄光を作り上げてきたOBやレジェンドたちが縁の下でしっかりと支えながら伝統を紡いでいく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)