なぜ香川真司はギリシャの強豪PAOKへの移籍を決断しチームはラブコールを送り続けていたのか?
所属クラブなしの状態のまま今冬の移籍期間を迎えていた、元日本代表のMF香川真司(31)がギリシャ・スーパーリーグの強豪PAOKへ加入することが確実になった。 ギリシャやスペイン、ドイツなど複数のメディアが24日に、2022年6月末までの1年半契約で合意に達したといっせいに報じた。現地時間25日にもPAOKがホームタウンを置くギリシャ第2の都市テッサロニキに入り、メディカルチェックなどをへて正式にサインを交わすとされている。 香川は2019年夏にラ・リーガ2部のサラゴサへ2年契約で加入したが、1部昇格を目指したプレーオフの準決勝で敗退。2年目となる今シーズンの開幕を前に「2」しかないEU圏外選手枠から外れ、実質的な戦力外となった状況下で、昨年10月に双方合意の上で契約を解除していた。 無所属となった後もサラゴサに残り、クラブの施設で練習を続けていた香川のもとにはトルコや中東のクラブ、そしてPAOKからもオファーが届いた。しかし、憧れ続けてきたスペインの地で、今シーズンもしくは来シーズンに1部でプレーできる可能性を探りたいという理由で断りを入れていた。 ここにきてPAOK入りが確実になった状況は、香川が方針を大きく変えたことを意味している。ほとんどSNSを活用しない香川だが、それでも自身の公式ツイッター(@S_Kagawa0317)に昨年末、そして今年元日に投稿した2つのつぶやきから、心境の変化を読み解くことができる。 日本時間の昨年12月21日朝に、香川は約1ヵ月ぶりに公式ツイッターを更新。前夜に古巣セレッソ大阪の梶野智チーム統括部長が香川への復帰オファーを認め、さらに「(移籍は)彼次第だと思う」と発言したことへ反論するように、つぶやきのなかでもう終わった話だと強調している。 「色々な報道がでていますが、自分として欧州でまだやるべき事があると、夏にお断りをさせて頂いています。ここ数週間の中で自分なりの決断を欧州で出来ればと思っています」(原文ママ) ここで見逃せないのは、香川が「自分なりの決断を欧州で」とつぶやいている点だ。2部で「2」が、1部では「3」がEU圏外選手枠の上限として定められているラ・リーガでは、どんなに待とうが2部の上位チーム、あるいは1部の下位チームからオファーは届きそうにないと見越したと受け取れる。