レアル・マドリー、エンバペ&バルベルデの理不尽ミドル2連発などでセビージャに快勝!バルセロナを抜き2位で2024年を終える
22日のラ・リーガ第18節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのセビージャ戦を4-2で制した。 先週のミッドウィークには、ドーハでインターコンチネンタルカップ優勝を果たしたマドリー。エンバペの適応とともにあまり安定していなかったパフォーマンスは上向きつつあるが、この2024年最終戦でそれを目に見える形でサポーターに示したいところだ。 ヴィニシウスを出場停止で欠くアンチェロッティ監督は、GKクルトワ、DFルーカス・バスケス、チュアメニ、リュディガー、カマヴィンガ(ルケバキオ対策か)、MF後列セバージョス、バルベルデ、前列ブラヒム、ベリンガム、ロドリゴ、FWエンバペをスタメンで起用している。 試合はインターコンチネンタルカップのお披露目と、この一戦限りで現役を引退するヘスス・ナバスに花道をつくるセレモニーの後にキックオフを迎えた。ピミエンタ率いるセビージャは、ハイプレスでマドリーを自陣に押し込めようとしたが、マドリーはセバージョス&バルベルデに加えてトップ下から降りてくるベリンガムがその包囲網をうまくかいくぐり、エンバペ、ブラヒム、ロドリゴに次々にスルーパスを通していく。 そうしてマドリーがトランジションから先制したのは10分のこと。ベリンガム、ブラヒム、ロドリゴと左サイドでボールをつないでいき、ボックス手前でスペースを手にしていたエンバペが横パスを受ける。フランス人FWがすぐさま右足を振り抜くと、抑えの効いた強烈なボールが勢いよく枠内に飛び込んだ。エンバペはこれが今季公式戦14得点目(ヴィニシウスと並びチーム得点王)、ラ・リーガ10得点目(ヴィニシウスは8得点)。 エンバペが“彼らしい強烈な一発”を決めたマドリーは、20分に今度はバルベルデが“彼らしい強烈過ぎる一発”を決める。背番号8は、CKの流れからボックス手前にこぼれたボールに詰め寄って、右足を一閃。圧倒的なスピードのボールはアウトサイドの回転がかかり、相手DF、そしてGKから逃げるような弾道を描いてゴールに突き刺さった。マドリーがあまりにも凄まじく、あまりにも理不尽なミドル2発で、2点のリードを得ている。 マドリーのゴールショーは続き、34分に3点目を獲得。ベリンガムのグラウンダーのサイドチェンジがバスケスに通る。バスケスがブラヒムとのワン・ツーで右サイド深くまで侵入し、ボールを折り返すと、そこに飛び込んだロドリゴが右足のシュートを枠内に突き刺した。しかし、このゴールの直後にはフアンルの折り返しからイサーク・スアレスにヘディングシュートを決められてしまい(チュアメニが完全にマークを外していた)、マドリーは結局2点リードで試合を折り返している。 迎えた後半、マドリーは53分に4点目を記録した。ボックス手前のエンバペが、ボックス内にいるブヒラムに向けて浮き球のスルーパス。ブラヒムは巧みに左足でトラップしながら前を向き、もう一度左足を使ってGKアルバロ・フェルナンデスを破った。 ほぼ勝負が決まった試合は、怪我のリスクを恐れることでインテンシティーが落ち、少し練習試合のような雰囲気に。セビージャのピミエンタ監督はそうした中で、65分にヘスス・ナバスを投入。ベルナベウの観客はスペイン、ひいては世界のフットボール史に残る偉大なるサイドアタッカーにスタンディングオベーションをし、さらに「ナーバス! ナーバス!」とその名を繰り返し叫んで、深い敬意を表していた。 その一方でアンチェロッティ監督は71分にロドリゴ、セバージョスをモドリッチ、ギュレルに代え、さらに76分にはベリンガムをラウール・アセンシオと交代させる。前日会見の発言通りラウール・アセンシオを右サイドバックとして起用し、バスケスを右サイドハーフ、ギュレルをトップ下とすることで4-2-3-1を継続した。 86分には、セビージャのルケバキオが右SBラウール・アセンシオの背後を突いた。スルーパスからサイドを突破した超快速のベルギー代表FWは、そのままボックス内に侵入して、強烈な左足の一発でクルトワのニアを破っている。 2点差とされたマドリーだが、その後失点は許さず終了のホイッスルを迎えた。ラ・リーガ2試合ぶり勝利のマドリーは勝ち点を40として、第12節バレンシア戦未消化ながらバルセロナに勝ち点2差をつけて2位に浮上。消化試合数が同じ首位アトレティコ・マドリーとは1差となっている。 なお試合後、ヘスス・ナバスはピッチに残って観客に感謝を伝えていた。涙を流しながら拍手をし、セビージャのエンブレムを叩くレジェンドに対して、人々は再びスタンディングオベーション。感動で顔をクシャクシャにするヘスス・ナバスは、芝生に触れて、十字を切ってからピッチを後にし、ロッカールームへ続くトンネルへと消えていった。