タンパク質の摂りすぎはよくない? プリン体にも要注意? 腎臓を労わる食事術(専門家が監修)
ヒトの寿命を決めるという腎臓。どうやら得手不得手が多いらしい。塩分やリンなど、腎臓の苦手なものは避けいつまでも上機嫌で働いてもらうための食事術を紹介。地味ながら健気に働く司令塔に、つねに心配りを。[取材協力/川村哲也(東京慈恵会医科大学客員教授)、田畑尚吾(田畑クリニック院長)]
教えてくれた人:
川村哲也さん(かわむら・てつや)/腎臓専門医。東京慈恵会医科大学客員教授、同腎臓・高血圧内科客員診療医長。腎臓病の臨床と研究に長年携わるほか、患者向け「腎臓病教室」を開くなど腎臓病の正しい知識の啓蒙に努める。医学博士。 田畑尚吾さん(たばた•しょうご)/総合内科専門医。田畑クリニック院長。北里研究所病院、慶應義塾大学病院、東京オリンピック•パラリンピック選手村診療所内科チーフドクターなどを経て現職。糖尿病専門医、総合内科専門医、スポーツ内科医。
クランベリーを摂る
腎臓が作る尿を排出するルートを尿路と呼ぶ。腎臓の腎盂、尿管、膀胱、尿道の総称だ。ここが細菌やウイルスに感染する尿路感染症に罹ると、腎機能が低下しやすい。 尿路と腎臓を守ってくれるのが、ベリーの一種であるクランベリー。北米とヨーロッパの寒冷地が原産であり、アメリカの先住民たちは食用にしていただけではなく、古くから薬用にしていたと伝わる。 クランベリーの有効成分は、プロアントシアニジンとキナ酸。プロアントシアニジンは、植物が作る有用な化学物質フィトケミカルの代表選手。活性酸素を無力化する抗酸化作用に優れており、血管を守り、腎臓を保護する。加えて優れた抗菌作用があり、繰り返す尿路感染症の予防効果が知られている。 キナ酸は有機酸の一種。こちらにも抗菌作用があり、尿路感染症を防いでくれる。 クランベリーは生では手に入りにくいので、冷凍やドライ、ジュースを利用するといいだろう。キナ酸もプロアントシアニジンも、一度に多く摂っても体内には貯められない。少量でいいから、ヨーグルトにトッピングする、スムージーに加えるといった方法で摂取を習慣化したい。