タンパク質の摂りすぎはよくない? プリン体にも要注意? 腎臓を労わる食事術(専門家が監修)
汁物のスープは残す
血圧が上がると腎臓は悪くなり、腎臓が悪くなると余計に血圧は上がりやすい。こうした事情から、腎臓を守るための血圧の設定値はやや厳しい。慢性腎臓病向けの降圧目標は最高血圧130mmHg未満かつ最低血圧80mmHg未満となっている。 血圧を少しでも下げられたら、加齢などで腎臓が衰えるスピードを遅らせることができる。高血圧を避け、腎臓をいたわる一丁目一番地は塩分(塩化ナトリウム)摂取を控えること。塩分を摂りすぎると血圧は上がりやすいので、腎臓のために減塩は必須だ。 それにしても、なぜ塩分を摂りすぎると血圧は上がるのか。理由は大きく2つある。 1つ目は、塩分が増えると、体液のナトリウム濃度を一定範囲内に保つために、体内に多くの水分が溜まるようになるから。水分量が増えると当然血圧は上がりやすい。 2つ目は、ナトリウムが自律神経のうちでも交感神経を刺激しやすいから。交感神経には血管を縮める働きがあるため、血圧は高くなりやすいのである。 「降圧のための塩分摂取は1日6g未満が理想ですが、日本人の塩分摂取は1日平均10g前後。一度に6g未満まで減らすのは現実的に厳しいでしょう。まず1日8g未満を目指してください」(腎臓専門医の川村哲也先生) 下に減塩のコツをまとめたので、麺類のスープを残すなどできることから始めてみよう。
減塩のコツ
・漬物は控える(自家製浅漬けにして少量に留める) ・麺類の汁を残す(全部残せば2~3g減塩できる) ・新鮮な食材を用いる(食材の持ち味で薄味に調理) ・味噌汁は具だくさんにする(同じ味付けでも減塩できる) ・調味料をむやみに使わない(味付けを確かめながら使う) ・低ナトリウムの調味料を使う(酢、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングを上手に活用する) ・香辛料、香味野菜、果物の酸味を利用する(胡椒、七味、生姜、柑橘類の酸味を組み合わせる) ・外食や加工食品を控える(目に見えない食塩が多く含まれる) 出典/厚生労働省『e-ヘルスネット』