カーリングのソチ五輪金メダル”強豪”カナダを破ったロコ・ソラーレ初勝利から見えたメダルの可能性とは?「4年でみんな成長」
北京冬季五輪のカーリング女子1次リーグが大会8日目の11日、北京市内の国家水泳センターで行われ、前回平昌五輪銅メダルの日本代表ロコ・ソラーレが8-5でソチ五輪金メダルのカナダを破り、2戦目にして今大会初勝利をあげた。 世界ランキング7位の日本は序盤から正確なショットを連発して、第1、4、5エンドでスチール(不利な先攻チームが得点)に成功。4-5と追い上げられて迎えた第7エンドにはスキップ藤澤五月(30)の完璧なラストショットで2点を追加するなど、冷静な試合運びでレジェンド、ジェニファー・ジョーンズ(47)を擁する同5位のカナダに快勝した。 10日の初戦で平昌五輪の優勝国で、世界ランキング1位の強豪スウェーデンに敗れた日本は1勝1敗の五分に戻し、12日午前に世界ランキング10位のデンマーク、夜には同4位のROC(ロシアオリンピック委員会)との第3、4戦に臨む。
スキップ藤澤五月のショット成功率88%
氷上に響きわたる「ヤーーーップ!」を集音マイクが何度も拾う。 ストーンを投げ終えた藤澤と、ハウスで戦況を見つめるサード吉田知那美(30)がほぼ同時に大声で連呼した、「掃く」を意味する英語由来のカーリング用語。それを受けながら、リード吉田夕梨花(28)とセカンド鈴木夕湖(30)がブラシで氷面を全力で磨き続けた。 日本が8-5とリードして迎えた最終第10エンド。藤澤の会心の1投目は鮮やかなダブルテークアウトを導き、ナンバー1、2、3のストーンを日本が占めた。直後に藤澤へかけられた吉田姉妹と鈴木の可愛らしい声を再び集音マイクが拾った。 「さっちゃん、ナイス!」 追い詰められたカナダは1試合で1回だけ許される、1分間のタイムアウトを取った。 しかし、コーチを交えてどんなに考えても超難度のショットが求められる。果たして、スキップのジョーンズが1投目を終えても戦況は変わらなかった。 直後にカナダがコンシードを宣言した。ともに1投ずつを残した状況でカナダが負けを認め、ギブアップした瞬間に日本の今大会初勝利が決まった。 ショット成功率88%をマークした藤澤が勝因を振り返った。 「昨日の負けでたくさん改善点が見えて、その失敗だけはしないようにみんなでどのように氷の上に立つのかというのを確認して、そして心がけてアイスに乗れました。雰囲気から違う気持ちで戦えたのがよかったのかなと思っています」