名店のパティシエが教える。モデル・松川星さんが学ぶ正しいフランス菓子 vol.4|「サントノーレ」
本場でも再度人気に。デザインや味の多様化も
サントノーレは、日常的に食べる機会は多くないスイーツ。しかし、あるパティシエをきっかけに、フランスで再び人気になっているのだそう。島田シェフ 「フランスでは、大人気のパティシエであるセドリック・グロレをきっかけに再度注目を集めています。彼が作った巨大なサントノーレは、話題を呼びましたね。また、フランスが食感のコントラストやカリカリした歯ざわりを好む文化なのも、人気を得ている理由ではないでしょうか。 定番なのは白いクリームを生地に絞って飴でコーティングしたものですが、最近ではアレンジ版も多く登場しています。クリームをカラメル風味にしたり、チョコレートを使ったりといったものですね。うちの店では、春にピンク色のフォンダン*2をシュークリームにかけた『桜のサントノーレ』を作ったりもしています。また、中央のデザインも多様化しています。クリームを絞る際に使う口金に『サントノーレ口金』という型があり、うちの店ではその口金を使って花柄のように絞っていますね。もともとは稲穂のようにV字型に絞ることが多かったのかもしれませんが、最近では別の口金を使ったり、ランダムに蛇行するようなデザインにしたりする店もあります。日本はショートケーキのようなふわっとした生地を好む人が多いことや、高温多湿のためカラメルが溶けやすいことから販売する店が少ないのが現状です。しかしファンは多く、今も愛されているお菓子です」*2)フォンダン:砂糖と水を煮詰めて作る、クリーム状の素材
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次回のテーマは、フランス・アルザス地方の伝統的な発酵菓子「クグロフ」。あのマリーアントワネットが愛したお菓子がたどった歴史と、その奥深い世界に迫ります。(衣装協力) ワンピース¥6,490 tocco closet(@toccocloset) 教えてくれた人パティシエ・シマ 島田徹シェフ日本で最初のフランス菓子専門店「A.ルコント」でフランス菓子の基礎を学ぶ。渡仏し「ピエール・エルメ」、「ホテル・ル・ブリストル」を経て5年の滞在後帰国し、東京麹町「パティシエ・シマ」オーナーシェフに就任。フランス菓子・食文化に精通し、世界最古のシェフの会・フランス料理アカデミーに若くして入会を認められ会員となる。また公益社団法人東京都洋菓子協会技術指導委員、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートとしても活躍 About Shop パティシエ・シマ(PATISSIER SHIMA) 東京都千代田区麹町3-12-4 麹町KYビル1F 営業時間:平日 11:00~19:00、土曜日 11:00~17:00 定休日:日・祝 Instagram:@patissiershimaPhoto/Masahiro Noguchi(野口マサヒロ) hair&make/Nakashima Aki(中島愛貴)
ウフ。編集部 磯部美月