大企業とはこれだけ違う…日本人の「賃金値上げ」、企業間格差は今後なくなるのか…はたらく人を守る「連合」会長にその現在地を聞いてみた
2025年「賃上げ5%」を掲げた連合会長
「2024年の春闘については、賃金も物価も安定的に上昇して、経済の好循環、転換点にしようということで、(賃上げについては)大手(企業)は5.1%、中小(企業)も4%代と、今年は33年ぶりの結果が出ましたので、まさしく転換点になったと思うんですが、賃上げは1年で終わるものではなくて、これが続いていかなければいけないので、2025年は巡航軌道に乗せていき(賃上げ)5%以上をこれからずっと続けていこうと」 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” 東京の神田駿河台にある『連合』(日本労働組合総連合会)で話を聞いた芳野友子(よしの・ともこ)会長は、今年の春闘(毎年春に、一斉に労働組合が企業の経営側と賃金引上げなどの要求を行う交渉)について振り返ると共に、来年の春闘への決意を述べた。 「今年は33年ぶりの高水準といっても、大手と中小の格差が広がってしまったという課題があるので、2025年は中小(企業)は(賃上げ)6%以上にしているので、来年はこの格差を縮めていきたいと思っています。 それを実現して行くには、中小小規模事業所は原資がないと賃上げできないので、労務費を含めた価格転嫁の取り組みをもう少し強化していかなきゃいけないと思っていて、加盟組合の皆さんに対して、自社の取り組みがどういうふうになっているのか、調達部門のやり方がどうなっているのか、そういうところまで交渉の中で確認してくださいということを申し上げています」 日本の労働組合は、主に企業別組合、産業別組合、ナショナル・センター(全国中央組織)という3層構造になっている。 1989年に結成された日本のナショナル・センターが『連合』だ。日本最大の労働組合の全国組織で、加盟組合員は約700万人。芳野会長はその連合のトップで、2021年10月に連合初の女性会長として就任した。 「(会長に就任した)最初の頃は取材も凄く多くて。まあ女性初というのがあったと思いますし、今までの会長は東大卒みたいな高学歴の皆さんだし、出身組織も大手の皆さんが多かったので。私は真逆なので。そういう点では注目されたのかなと思います。女性っていうところが一番大きいのですかね」 学歴については、ご自身のことも含めて拘りはあるのか聞いてみた。 「いや、もうこれは事実だからしょうがないですよね。(ご自身の学歴についても発信されてもいいのでは?)出てますよ、いろんなところで。誕生日も出てますし、年齢もばれちゃってますし(笑)。はい出てます、出てます」