【ハイライト動画あり】4万544人が目撃した歴史的大熱戦。100度目の早明戦は3点差決着
最終盤、早稲田のピンチはスクラムから。
早く仕掛けてアーリーエンゲージの反則となり、好タッチキックで明治大が敵陣22mに侵入。時間は83分経過。ラストチャンスに国立競技場が騒然とした雰囲気に包まれる。
明治大がFW・BK一体の7フェーズ攻撃。途中出場の切り札、伊藤龍之介を早稲田CTB福島が押し戻す。
状況は膠着。ここで最後に展開勝負をするのもバックスに華がある今の明治らしさだ。ラックからカットパスで途中出場のWTB海老澤琥珀にボールを託す。
ここで早稲田のルーキー2人が最後の砦となった。SO服部亮太がタックルで勢いを削ぐと、WTB田中健想が身体を抱えてタッチに押し出した。
「最後3点差で、1トライで逆転される場面でしたが、あんまり慌てることもなく「ディフェンスいこうぜ」と。今年力を入れているディフェンスで最後勝てたと思っています」(早稲田・佐藤主将)
27-24でノーサイド。最後は今季リーグ最少失点の早稲田が、堅守で3点差(27-24)を守り切った。
負けた明治大にも悲壮感はなかった。お互いに実力を出し切った、100度目に相応しい大熱戦だった。
「今日は本当に、明治大学さん、われわれ、双方のプレイヤーがいま持てる力を出したと思います。われわれはスコアで勝ちましたが、100度目にふさわしい内容だったのではと思います。学生たちには『本当におめでとう』という気持ちでいっぱいです」(早稲田・大田尾監督)
笑顔が多いHO佐藤主将だが、試合後には涙もあった。大学選手権へ対抗戦1位通過となった主将は、対抗戦優勝へと至った経緯を“勝ち癖”という言葉を用いて語った。
「勝ち癖のあるチームが強いチームだと思っていて、それをシーズンの始めから言っていました。去年まで力がなかったわけではなく、勝ち癖がありませんでした」
「そこで春から勝ち癖をつけようと、すべてのカテゴリー(A~Dチーム)が勝負に貪欲になって勝ちかけを狙っていました。Aチームが何をしたということではなく、すべてのカテゴリーで1試合1試合、勝ちに貪欲になったからこそ、全体として勝ち癖のある良いチームになったのかなと思います」(早稲田・HO佐藤主将)