【ハイライト動画あり】4万544人が目撃した歴史的大熱戦。100度目の早明戦は3点差決着
すると、早稲田に現役日本代表が勝負所で力を発揮。
明治大の防御裏を狙ったショートパントが短くなり、ターンオーバー。ここから敵陣で早稲田が連続攻撃。
HO佐藤主将らが縦に走り、最後はラック脇にFB矢崎由高が突っ込んでダブルタックルを破る。粘り腰でさらに前進し、ジャパンの貫禄をみせる勝ち越しのワンハンド・トライ。キック成功で7点リード(24-17)を奪った。
「由高(FB矢崎)は気負いもなく臨んでいて、非常に良い状態でした。(日本代表として出場した)オールブラックス戦後、コンディション的に難しい状態がありましたが、ここに(調子を)もってきたことでアスリートとして成長したと思います」(早稲田・大田尾監督)
早稲田は会心のスクラムワークだった。
途中出場の安恒直人を2番に据え、佐藤主将をナンバーエイトにおいたスクラムでもペナルティを奪取。控えを含めたフロントローの総合力、一貫性を見せつけた。
この後のペナルティで早稲田はショットを選択。1トライ1ゴールで逆転できない10点リード(27-17)を得た。
だが、早明戦はここで終わらない。
後半36分に明治大は敵陣ゴール前ラインアウトのチャンス。大観衆から「明治」コールが沸き起こる。
リザーブ組の充実度は明治も変わらない。途中出場の背番号16・金勇哲が力強くロングゲイン。そして最後ねじ込んだのは背番号20の藤井達哉。
身体を捻りながらの技巧的なトライで、ふたたびビハインドを3点(24-27)に縮めた。負傷でピッチ外から見守っていたNO8木戸大士郎も歓喜の表情をみせた。
「キャプテンとして最後まで(ピッチに)立っておきたかったのですが、(出場メンバーが)アグレッシブに明治のラグビーを体現してくれました」(明治大・NO8木戸主将)
3点差となり、会場に「ロスタイムは4分」のアナウンスが響いて拍手が起こる。
自陣でボール確保の明治大。自陣から無理にアタックするのではなく、残り時間を考慮して冷静にキックでエリアを獲りにいく。