病を抱えた独居老人ですーー愛妻とは「通い婚」、舌鋒衰えぬ小倉智昭の今 #ニュースその後
「情報プレゼンター とくダネ!」などで司会を務め、長年にわたってテレビの“朝の顔”だった小倉智昭(76)。膀胱がんを公表したのち、治療・休養・復帰を経て、2021年に「とくダネ!」を勇退。以来、仕事を控え、音楽や映画のコレクションに囲まれた自宅で悠々自適の毎日を過ごして……いられればよかったのだが、がんサバイバーとしての不安を抱えるなか一人で暮らすようにもなったという。それでもその舌鋒は衰えることなく、自らを豪快に笑い飛ばしながら、変わりゆく日本とメディアの現状について語ってくれた。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
病を抱えた独居老人です
2016年に膀胱がんが発覚。その後、肺などに転移して現在、ステージ4。さぞかしやつれているのではと想像していたが、目の前の小倉智昭は、『とくダネ!』MC当時の印象そのまま、はつらつとして見えた。老けた感じもない。 「そう見えますか? それならよかった。でもやっぱり、しんどいですよ。若いころ、激しいスポーツをずっとやってたから、60歳くらいまではその筋肉が生きていたと思うんだけど、すっかりなくなって。足なんか、骸骨みたいに細くなっちゃったし。階段をちょっと上がるだけでも動悸がするしね。でも、メンタルは本当に楽観的だから、落ち込まないんだよ」 現在は、都内で一人暮らし。離婚したわけではない。妻は母親の介護のために実家に戻り、通い婚のような形をとっている。 「病を抱えた独居老人。『とくダネ!』でもけっこう取り上げてね、『大変だと思うな』なんて言ってたけど、あれは上っ面だったな。やってみたら、これは大変。ちょっと体調に不安があっても、全部一人でやんなきゃダメじゃないですか。いざというときはどうしようと思うわけよ。セコムは合鍵を持ってるけど、救急車は持ってないぞ、夜も家の鍵を開けておいたほうがいい? それじゃあセコムに入ってる意味ないぞ、とかね(笑)」