病を抱えた独居老人ですーー愛妻とは「通い婚」、舌鋒衰えぬ小倉智昭の今 #ニュースその後
相変わらずのマシンガントーク。 軽快に話し続ける。 「このままパタッと逝ったら今度女房が来るのは2日後だ、腐るかなあ、とかさ(笑)。多少料理もできるけど、ずっとかみさんのうまい飯食べてた自分が、この年になって材料を買ってきて作るなんて、かなりおっくうなんですよ。しかも病気で、制限が非常に多い。僕、秋田の生まれだから、しょっぱいものが好き。しょうゆもダボダボかけてたし。よく女房に叱られてね。今は、塩分濃度が決められてるから、スーパーへ行ったらさ、食材の裏を見るわけ。食塩は何グラムか、って。ちゃんとやらないと、人工透析になる可能性があると言われてるから」 慣れない家事にも時間がかかる。合間に、コレクションしている映画・音楽関係のグッズを整理したり、テレビを見たりしているが、家にいるだけでも意外と毎日忙しい、と笑う。 「女房と離れて暮らすようになって、お互いに優しくなったよね。こんなにLINEが役に立つのかと驚いた。LINEが来ないとさみしい。何を食べたとか、テレビで何を見たとかね。まあ、幸せに暮らしていた二人がわざわざ別居して、旦那だけ残って、って、この年からはあまりないかもしれないですね。また二人で暮らすか? うーん、この先僕が何年か生きて、老人ホームか何かに入ったとき。そのときは一緒に入ろうかって話になるかもわかんないね」
各局が同じことをやってて、じっくり掘り下げないからつまらない
仕事柄、在京キー局の全番組を録画してチェックしてきた。今もその習慣は変わらない。 「見てるのは、羽鳥(慎一)君のモーニングショー。それから、くだらない高田純次の『じゅん散歩』(笑)。僕と純ちゃんは同い年なんだよ。それでなぜか大下容子にいっちゃう。うまいね、テレビ朝日は。で、たまにフジテレビは何をやってるかなとかって見るんだけど」 現在は仕事をセーブ中だ。 テレビを見ながら、「やっぱり戻りたい」と思うことはないのだろうか。 「そうは思わないけど、自分がこういう番組をやってたらどうなのかな?って想像することはある。やっぱり、司会者の顔ぶれが世代交代して、まるで違うものになってる。頑張ってた関口(宏)さんも3月でやめるし、草野(仁)さんもアドバイザーみたいになって、徳光(和夫)さんはバスに乗るともう寝ちゃうし。今、僕も『そこまで言って委員会』に呼ばれると、重鎮の席っていうんだもん。自分では若いつもりだけど、本当はジジイだよな。誰も相手にしたくない年齢だよ(笑)」 このところ、局アナの退職ニュースが目立った。 小倉も、20代で東京12ちゃんねる(現・テレビ東京)を辞めて、独立した過去がある。フリーキャスターのはしり的存在だが、現在の“辞めアナ”事情はどう見えるのか。 「みんな、もうちょっと若いうちに飛び出しゃいいのに。冒険するんだったら、若いうちからフリーでやったほうが、人生は面白いと思うけどね。ある程度安定した生活ができるようになって、番組を持って出る人が多いじゃないですか。僕は反対を押し切って飛び出して、7年ぐらい苦労した時期もあったけど、自分ではつらいと思わなかった。楽観的だし、過去を振り返らないからね。運もよかった」