病を抱えた独居老人ですーー愛妻とは「通い婚」、舌鋒衰えぬ小倉智昭の今 #ニュースその後
まあ、俺はタレントだからさ、と小倉は笑う。 「局で第一線だった人も、フリーをやってみたら、半数は愕然とするんじゃないかな。フリーになると、自分でお金をかけて磨いていかないと一人前になれない。そういう苦しみが、外からは見えづらいから。一方で達者な芸人さんが、どんどん司会を持っていく。アナウンサーは、しゃべりは上手だけど、自分の意見は言わないからね」 もし今、体調が万全だったら、番組で何を伝えたいか、と尋ねると、小倉は座り直して答えた。 「ウクライナ、パレスチナ……そういう問題をやっぱり、やりたいですよ。年始の地震もね。東日本大震災のときは現地へずっと行っていました。天災が起こったとき、人々の暮らしがどうなるか、本質はどういうところにあるのかということを、もっとわかりやすく伝えたい。『大変だ、大変だ』っていうのは見せるけど、そこから先に何をやらなきゃいけないのか。でもそういうのを見せると、数字は落ちる。いまだに、数字至上主義だからね。最近の情報番組がつまんないのは、各局が同じことをやってて、じっくり掘り下げないから。羽鳥君のところはがんばってると思うけど、情報番組そのものが減ってるからね。日本が抱える問題について、雰囲気的には、酒でも飲みながらワイワイ話すような番組ができたら面白いだろうな」
メディアは時代の流れと逆方向に行っている
年末から取り沙汰されてきたダウンタウンの松本人志をめぐる一連の流れについては、どう見ているのだろうか。 「一本(ニュースが)出た段階で、記者会見をやるなり、収めようとすれば、方法もあったかも。本当に自分の身の潔白を証明したかったから、ああいうふうになったのかもしれない。事実はわからないけれど。ただ、松ちゃんがSNSに上げる言葉が短すぎて、それだけだとみんなが想像力を働かせちゃうからね。まずったなと思いますよ。週刊誌にしてみたら、そういう情報があったら飛びつきますよ。あれだけのタレントさんなんだからね。裁判で結論は出るとは思うけど、裁判って必ずしも事実が勝つとは限らないからね。冤罪だってあるわけだし」 「昔は総理大臣だって自分の愛人が金庫番やってるとかさ、そういう時代だった。今は、遊びの世界、人生の余裕みたいな部分が、全部やっちゃいけないことになったよね。でも、浮気をしている人は多いと思いますよ。プラトニックだって、お互いに求めていたら同じことでしょ。メディアは時代の流れとは逆方向にいってるようで、おかしいと思うよね。浮気を推奨するわけじゃないけどさ(笑)。渡辺淳一さんだって、『恋愛がなければ俺は小説なんか書けねえよ』って言ってましたからね」