クラブ消滅の危機→再び日本最高峰の舞台へ。帰ってきた“ミスター・デウソン”原田浩平の本音|フットサル
簡単に「やります」とは言えない
──そして今年の2月に「プロジェクトマネージャー」に就任しました。この役職は具体的にどういうことをしているんですか? はじめは、「GMか社長になってほしい」と言われていたんですが、それはちょっと荷が重すぎるぞ、と。今自分でバーも経営しはじめてほかにもやりたいことがいろいろあるので、どちらかというとアンバサダーのような立ち位置かなと思っています。 なのでやっていることも、ホームゲームでイベントをちょろっとやったり、前座試合に出たり……。 ──絶対もっといろいろやっていますよね? いやいやいや(笑)。 あとは、今の大阪体育大学の監督が僕が4回生の時の1回生なので、江藤くんのオーダーに沿って「誰かいい選手いない?」と聞いてみています。今の10番がセットスター和歌山(関西1部リーグ)のエースだった選手なんですが、その子もたまたま知り合って声をかけて加入を決めてくれました。 ──監督としてというのもあまり考えていない? リンドバロッサで5年くらいやったから、もういいかな。 やるつもりもなかったんですけど「いい選手おるから!」って内田さんに言われて、行ってみたら全然選手がいなくて……。という半ば騙されたみたいな感じで引き受けることになったので(笑)。 やるからには降格させたくなかったからなんとか1部に残留させてそこから少しやる気になりましたけど、もともと感覚でプレーしていたタイプでしたし、監督も向いていないと自分では思っています。 ──なるほど……。でも原田さんは昔からコミュニケーション能力も高いし、人の懐に入るのが上手だから、営業とかも向いていそうですよね。 そんなことないですよ! リンドバロッサでもスポンサー探しをしましたけど、自分からお願いするのは苦手なんですよね。 なので「もし良かったら……」とSNSで発信したら、友人や知り合いが向こうから連絡をしてきてくれて、けっこう資金が集まったんですよね。本当にありがたい話です。 ──それも、原田さんの人間性ありきだと思います。ゆくゆくは、上永吉さんが担ってたような役割を、原田さんが担っていく未来も……? いやあ……。興味がないわけではないですけど、いろんなクラブが苦しんでいる状況も見てきているので、ちょっと簡単には「はい」とは言えないですね。 ビジネスとしての基盤がもう少し出来上がっていればやってみたいなという気持ちにもなりますけど、なかなかそこまでいくのにも時間がかかるし、「じゃあ自分が」と言っても力のある後ろ盾をつけて巻き込んでいくところから始めないといけない。一筋縄ではいかないですからね。 同年代の元チームメートや、代表で一緒にプレーした元選手たちが、今監督になったりGM職になったりしていますけど、話を聞けば聞くほど大変そうだなって(苦笑)。 その責任を負う重大さを感じれば感じるほど、簡単に「やります」とは言えないです。
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