イチロー氏「僕はその3名が上がりますね」高校球児から“イチローさんにとって…”今までになかった質問に感銘
イチローさん(51、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)による高校球児への指導は5年目となった。通算10校目の指導を経て思う事はやはり「基本」と「考える」事の重要性だった。 【写真を見る】イチロー氏「僕はその3名が上がりますね」高校球児から“イチローさんにとって…”今までになかった質問に感銘 ■「基本のもっと手前の基本」を僕は伝えているだけ イチローさんの考える「基本」とは何なのか。 イチロー: みんな基本が大事ってわかっているんですよ、頭では。でもその基本が、その前の基本がまったくできてないんですよ。「基本のもっと手前の基本」を僕は伝えているだけなんですよ。 そこを誰も意識していないという事がこの5年間でよくわかるし… 2020年の智弁和歌山から始まり、21年は国学院久我山(東京)、千葉明徳、高松商(香川)、22年に新宿(東京)、富士(静岡)、23年の旭川東(北海道)、宮古(沖縄)に続き、24年は大冠(大阪)、県立岐阜と2つの公立高校を訪れた。 ■『打倒強豪私立』を掲げる大阪府立大冠高校 1校目は、大阪府立大冠(おおかんむり)高校。激戦区・大阪で『打倒強豪私立』を掲げ、甲子園を目指す。これまでの最高成績は17年の大阪大会準優勝。名門・大阪桐蔭に2点及ばず、涙を飲んだ。甲子園まであと一歩と信じる部員達に伝えたのは… イチロー: 履正社。大阪桐蔭。大冠高校の事は全く眼中にないです。そこを目指している事を知って欲しい、まず。こっちは強烈に意識しているのに、相手は全く相手とも思ってない。そこに挑むんだよ。 相手は甲子園出場(春夏)が大阪桐蔭で28回、履正社で15回。胸元に投げ込んだ厳しい現実は覚悟を試す、強いエールだった。 イチロー: ほめるだけでは形にならない、近づく事すら出来ないと思ったので、まずそれを伝えようと。耐えられるかどうかはわからなかったけど、耐えてもらうしかない。 ■「キャッチボールの何を大切にしてる?」 大冠ナインの練習で気になったのは、「基本」のキャッチボール。練習の序盤からかなりの時間を掛け、様々な種類を行うのが大冠の特徴であったがイチローさんがさっそく、指摘した。