職人気質を感じるシャンパーニュ、ジャクソン。7つのヴィンテージを垂直試飲して見えたものとは?
「その年の記憶」を表現する、ジャクソンの世界観。
そのジャクソンの「キュヴェ700」を垂直試飲するイベントを、フィガロワインクラブと会場のSHE meguro(シー メグロ)とのコラボで開催した。最新のキュヴェ746からバックヴィンテージの740まで全7本。歯抜けなしの完全垂直である。余談だが、垂直試飲とは同じワインをヴィンテージ違いで同時に試飲すること。反対に、同一のヴィンテージで銘柄の異なるワインを並べた場合は水平試飲という。
試飲会は、シー メグロの冨田逸斗ソムリエが各キュヴェに合わせたフードとともに進行。各キュヴェの概要とフードは以下のとおり。
●キュヴェ746 &「鈴木農場4種のキャロット・ラペ」
2018年がベース。この年は雨の多い冬に始まり、春は穏やかな気温ながら、雷雨もあった。6月になって天候が変わり、晴れて乾燥。生育は早く8月30日に収穫を始め、9月11日に終えた。ブドウは完璧なまでに健全で豊作、果実の熟度は高く酸は控えめだが、繊細で気品がある。 シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ムニエ10%。2022年10月に澱抜き。ドザージュ2g/ℓ。
●キュヴェ745 &「貝柱とグリーンチリのピクルス」
2017年がベース。冬から春はとても乾燥。春の初めは穏やかだったが、4月に遅霜の被害を受け、とくにコート・デ・ブランに損害が。気温は再び上がり、7月までは好天に恵まれた。夏の終わりは暑く、同時に雨に見舞われた。収穫は9月4日から13日まで。熟度が高く健全なブドウのみ厳しく選ったため収穫量は少ない。ワインはリッチで凝縮感がある。 シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ムニエ10%。2022年2月に澱抜き。ドザージュ0.75g/ℓ。
●キュヴェ744 &「芽キャベツのヴァプール、オニオンムース」
2016年がベース。冬から春にかけて雨が多かった。当初は穏やか気温だったが2月末に気温が下がり、4月末には大きな霜害に見舞われた。春の終わりは好天に恵まれたが涼しく、夏はとても暑く乾燥した。収穫は9月19日に始まり、10月6日に終了。かなり不均一な熟度のため、収穫を中断することもあったが、健全で熟度の高いブドウが得られた。ワインは香り高く、味わい深い。 シャルドネ45%、ピノ・ノワール+ムニエ55%。2021年2月に澱抜き。ドザージュ0.75g/ℓ。