大阪国際女子マラソンが新型コロナ禍による異例の周回コースに変更で16年ぶりに日本新記録が出る?!
新型コロナウイルス感染拡大の恐怖が続く中、第40回大阪国際女子マラソンが31日に開催されるが、例年のコースとは違い、長居公園内周回コースで実施されることになった。13日に大阪府にも緊急事態宣言が発令された。イベントは最大5000人かつ収容率 50%以下の制限内で、十分な感染防止策を講じれば開催することが認められているため、大会主催者側は例年より厳しい資格記録を設けて参加者を制限。例年は500人ほどのエントリーがあり、外国人選手も10人前後が出場していたが、参加資格をマラソンのタイムで20分引き上げたため、今回のエントリーは99人となり国際大会ながら外国人選手は出場しない。 スタジアムは無観客で運用することを定めて、沿道での応援は自粛を呼びかけるなどの対策を講じてきた。しかし、公道を使用するコースでは、沿道での密を防ぐことは難しいと判断。2000人を超えるボランティアの安全を確保するためにも、今大会に限り周回コースに変更された。 1周2.8kmのコース上からスタート。約15 周して、ヤンマースタジアム長居がフィニッシュとなる。主催者は一般市民らに公園内への立ち入り自粛を求め、大会参加者にはPCR検査を義務付ける。なお日本陸連による距離の計測および世界陸連による認証も済んでおり、記録は公認される。開催まで10日に迫った直前でのコース変更は異例だ。 大会主催者側は、「2005年に野口みずき(アテネ五輪金メダリスト)がベルリンで樹立した2時間19分12秒を打ち破る高速レースを目指す」と息巻いて準備を進めてきた。ペースメーカーには川内優輝(あいおいニッセイ同和損害保険)ら男子選手6人をスタンバイしている。 今大会には東京五輪女子マラソン代表に内定している前田穂南(天満屋)と一山麻緒(ワコール)が出場予定。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、「2人に足りないのは記録。最低でも2時間20分を切ってほしい。それが五輪のメダルにつながる」と狙いを説明している。 では、1周2.8kmの周回コースで行われるレースは選手目線ではどう映るのだろうか。 まずはデメリット。周回コースは景色の変化が乏しく、選手としては「長く」感じてしまう。メンタル的に厳しい戦いになるだろう。また市街地を走る場合と比べて、道幅が狭くなる。日本記録ペースに食らいつける選手は前田と一山ら数人しかいないので、トップ集団が混雑することはない。しかし、トップ集団は周回遅れの選手を抜いていくことになるため、それが障害となる可能性が出てくる。 昨年は松田瑞生(ダイハツ)が2時間21分47秒で優勝。2~6位は外国人選手で、日本人10番目の選手は2時間32分48秒だった。仮に90人が出場するとして、80人近くが周回遅れになり、何度も抜かれる選手も出てくるはずだ。