箱根駅伝からパリ五輪へ…異色経歴で福岡初Vの吉田祐也だけではない…男子マラソン界の新星
東京五輪代表に内定している服部勇馬(27、トヨタ自動車)が欠場したものの、6日に行われた福岡国際マラソンは見応えがあった。2時間5分台を狙えるようなハイペースに多くの選手が挑戦。先頭集団は中間点を1時間2分54秒で通過した。 ペースメーカーが去った後は、吉田祐也(23、GMOインターネットグループ)が強かった。30~31kmを2分59秒でカバーすると、藤本拓(31、トヨタ自動車)はついていけない。独走となった終盤は何度かペースが鈍るも、直後にリカバリーする粘りの走りを披露。藤田敦史(当時富士通、現駒大コーチ)が持つコースレコード(2時間6分51秒)には届かなかったが、日本歴代9位タイの2時間7分05秒で優勝ゴールに飛び込んだ。 「今回はタイムよりも勝つことだけを意識して走りました。自分の力を100%発揮することができましたし、狙い通りに優勝できてうれしいです。競り合いがなかったなかでの2時間7分05秒というタイムも良かったのではないかなと思っています」 吉田の快走に日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーも、「途中でキロ3分08秒に落ちたときは、そのままペースダウンすると2時間8分台かなと思ったんですけど、またキロ3分01秒に上げてきたのは驚きました。競争相手がいればまだまだ記録を伸ばせる力を持っていると確信しましたね。東京五輪男子マラソン代表補欠の大塚(祥平/九電工)君も転倒がありながら、しっかり走ってくれました(2時間7分38秒の2位)。吉田君と大塚君はパリ五輪候補という位置付けで見ていたんですけど、順調に育っている。4年後も間違いないなと思いました」と大はしゃぎだった。 吉田は今年正月の箱根駅伝4区で区間新記録を打ち立てて、青学大Vの立役者になった選手。2月の別府大分毎日マラソンでは日本人トップの3位に食い込み、初マラソンでは日本歴代2位となる2時間8分30秒をマークしている。当初は大学で競技を退き、内定していた大手菓子メーカーに入社する予定だった。しかし、別府大分の結果を受けて競技続行を決意した。