〈2025年戦力比較〉今年は阪神が独走? 巨人やDeNAには「解消できない不安要素」が【セ・リーグ編】
今年の各球団の戦力も固まってきた。この段階で、2025年の各チームの戦力を分析した。今回はセ・リーグ編。 【写真】岡本和真でも村上宗隆でもない…他球団の首脳陣が語る「最も嫌な4番打者」はこちら このオフの動きを見ると、最も補強策が目立ったのが巨人だ。 ソフトバンクの正捕手・甲斐拓也をFAで補強し、球界を代表する中日の守護神のライデル・マルティネスも争奪戦の末に獲得。楽天を退団した日米通算197勝右腕の田中将大とも契約した。さらに、左の長距離砲で元パイレーツのトレイ・キャベッジの獲得を発表した。 とはいえ、リーグ連覇に向けて会心の補強ができたかというと疑問符が付く。他球団のスコアラーがこう分析する。 「補強の動きは派手ですが、戦力が大幅にアップしたという意識はないですね。巨人の補強ポイントと照らし合わせてみると、一番欲しかったのはFA権を行使した大山悠輔(阪神)だったはずです。巨人は岡本和真の後を打つ5番打者を固定できなかったので、獲得できれば大きなプラスになった。獲得に向けて交渉しましたが、大山は阪神残留を決めました。昨年最多勝に輝き、海外FA権を行使した菅野智之の抜けた穴も大きい。ソフトバンクからFA宣言した石川柊太の獲得に動いたが、石川はロッテを選びました。マルティネスの補強で救援陣が強化されましたが、抑えにはもともと大勢がいた。今年、大勢をどう起用するか気になります。セットアッパーになれば、また違う難しさがありますからね」(他球団のスコアラー) リーグ連覇を逃した阪神はFAで去就が注目された大山、坂本誠志郎が残留したことで戦力ダウンを回避できた。FA補強には参戦せず、助っ人外国人を獲得。投手では元フィリーズのニック・ネルソン、元ブルワーズのジョン・デュプランティエ、野手ではメキシカンリーグでプレーしていたラモン・ヘルナンデスが加わった。ネルソン、デュプランティエは先発、救援とどちらの起用法でも対応可能で、ヘルナンデスは巨漢のスラッガータイプだ。 阪神を取材するスポーツ紙記者は「阪神は助っ人外国人の活躍に大きく左右されるチームではありません。昨年は大山、森下翔太、佐藤輝明が打撃不振でファーム降格と誤算が相次ぎましたが、岡田彰布前監督の手腕で立て直してシーズン最終盤まで巨人と優勝争いを繰り広げた。藤川球児監督の采配は未知数ですが、普通に戦えば優勝争いには食い込んでくる戦力です」と分析する。