まるで崖に立つ家!? 「庭がほしい!」を建築家が驚きの発想で解決、”縁側”兼”空中庭園”で眺望抜群の住宅に
「自身の経験からも、子どもには個室を用意してあげたいと考えていたので当初は固定壁で部屋を区切るプランにしていました。減額の検討時に、壁を簡易的な間仕切り壁にする提案を聞いた際には抵抗感があったのですが、個室が必要になるのは中学・高校生期間の10年足らずと考えると、それ以外の期間の方が圧倒的に長いなと思い直して。子どもが小さいうちは壁で仕切られていない方が安心ですし、間仕切りといっても固定しておくこともできるものにしていただいたので、個室的に使うこともでき、結果的によかったと思っています」前田さん(妻)
「当初話していた、各々が好きな時間を過ごしつつもお互いの存在を感じ取れる、そういった空気感のある家になったと思います。1階はワンルームですし、2階もゆるやかなつながりがあり、どこにいてもなんとなくみんなが一緒に過ごしている感覚になります」前田さん(夫)
減額の検討対象とならなかったものが、前田さんご夫妻にとって真になくてはならない生活の機能でした。そのひとつが、細長いワンルームの中心を貫くキッチンカウンターです。料理が好きだという前田さん(妻)は、キッチンに立つ時に窮屈さを感じたくないという思いから、幅も奥行きも既製品のラインナップを大きく超えた寸法のカウンターを希望していました。江島さんも「いままで見たことがない寸法」というカウンターも、実際に暮らしてみてやはり必要な寸法だったといいます。 「ショールームで各社のキッチンを見て回りながら、機能を整理していくとこの寸法が必要だと判断し、江島さんにお伝えしました。収納を兼ねているので単にキッチンであることを超えて、生活の中心にある家具のひとつとして活躍してくれています」前田さん(妻) 完成した空間を見て、江島さんもこのカウンターがゆるく境界をつくり、細長い空間に拠り所を与える存在として機能していると感じたそう。施主の要望を時に疑い、時に尊重しながら丁寧に紐解いていくことで、夫婦のこだわりは反映しつつ、思いもよらないアイディアも盛り込まれた住宅が完成しました。
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