まるで崖に立つ家!? 「庭がほしい!」を建築家が驚きの発想で解決、”縁側”兼”空中庭園”で眺望抜群の住宅に
外に向かって開く暮らし
眺望を得るために道路に向かって開いたテラスは、外から中の様子が見えてしまいます。家の前を通る人から中を覗かれてしまうことに対して、抵抗はなかったのでしょうか。 「はじめから、この家であれば外から見られることは分かっていたので気にならないですね。外から覗かれるデメリットよりも、外の景色を取り込めるメリットの方が圧倒的に大きいですし。家族だけでこの土地に住むというよりも、近所の人や通りすがりの人も含めて、この地域に住む人びとと共に暮らしていくという意識が強いので、コミュニケーションの一部だと思っています。テラスがなくても生活が成立する分、ここを使うことが生活を楽しくするという意識につながっています。ビニールプールを出して子どもと遊ぶなど、積極的に活用する癖がついています」前田さん(夫) 「朝起きてまず窓を開ける生活をしていると、外から見られることが前提の生活になるのでそれが当たり前になりました。擁壁で1層分、高さがズレているので目線が合いづらいこともよかったのでしょうね」前田さん(妻) 道路を挟んだ向かい側には、将来息子さんが通う予定の小学校が建っています。 「木々の緑がよく目に入り、春になると桜も咲いて、良い借景になっています。将来は息子の友人が集まるたまり場になりそうです」前田さん(妻) 「近所の人とよく顔を合わせることになるので、息子にとってはそれも含めて家への愛着につながるのではないでしょうか。いずれ独り立ちしてからも、思い出深い実家になってくれるといいなと思っています」前田さん(夫) 奇抜に見える住宅も、設計過程を紐解いていくと施主の要望を丁寧にヒアリングし、真の欲求を洗い出すプロセスが見えてきました。 叶えたい要望が本当に必要なことなのか、別の方法では実現できないのか、自問自答してみることは建築家との家づくりに限らず有効なプロセスかもしれません。 ぜひご自身の家づくりの参考にしてみてください。 ●取材協力 architecture workshop network 江島史華 創造系不動産
ロンロ・ボナペティ
【関連記事】
- 子どもと工務店がつくる注文住宅! 打ち合わせ・設計も体験、ダンボール製の”マイホーム”で住育を ホロスホーム「ダンボールハウスけんちくじむしょ」
- 現代人の暮らしが”バグ”る「虫村(バグソン)」に行ってみた! 不動産×テクノロジーの第一人者が、山奥に貨幣経済外の集落をつくる理由って? 神奈川県相模原市・藤野
- 友だち同士で二世帯住宅を建てた! 2組の3人家族、計6人の新しい拡張家族のあり方 神奈川県小田原市
- 家を自分でデザイン&組み立てられる! テクノロジーのチカラで素人でも低コスト&自由度高い家づくりサービス「NESTING」がおもしろい VUILD
- 断熱等級5の100平米の家「結露や温度差の悩みがなくなった」。都内の旗竿地&住宅密集地ならではの工夫も 東京都中野区・Aさん家族【断熱新時代・住宅実例】