スマホやZoomで「オンライン果物狩り」からスタート 身近なデジタルとエンタメの魅力で新しい農業を体感
2022年に設立したノウタスでは、農業とエンタメをかけ合わせた造語「agritainment(アグリテイメント)」で関係人口を増やす、としています。 農業がもっと身近で、やってみたいと思えるものになるためには、何が必要なのでしょうか。ノウタスのビジネスモデルから探っていきます。
【髙橋明久 Akihisa Takahashi】 ノウタス代表取締役会長 大学卒業後、商社を経てNTTデータにて金融インフラの戦略企画を担当。アクセンチュアなどのコンサルファームで多くの新規事業をリードする一方で、家族の農業支援、農業イベントの企画運営なども活動。 2022年、農業に人や企業、技術を足すノウタスを創業。 一般社団法人 農林水産ダイバーシティ推進連盟代表理事。ネットプロテクションズ EVP of Consulting。
誰もが気軽に農業にかかわれる仕組みづくりを
現役アイドルの村上信五さんがプロジェクトリーダーを務める「パープルM」で注目されているノウタスですが、もちろん事業はそれだけではありません。 「Agriculture」と「Entertainment」をかけ合わせた造語「Agritainment(アグリテイメント)」をキーワードに、人や企業と農業をつなげるサービスをさまざまな形で展開しています。 髙橋さんは農業が抱える構造的な課題を解決していくには、多様な人々、企業、さらには官公庁や研究機関などを巻き込む仕組みづくりが不可欠だと語ります。 髙橋「現在、国内の専業農家は約100万人。農業人口の減少を解決するために、さらに100万人専業農家を増やすのは非現実的でしょう。 その一方で、潜在的に農業に興味・関心を持つ人や企業はかなりの数いると感じています。何か機会があれば、農業にかかわりたいと思っている人のほうが多いのではないでしょうか。 100%の専業農家を100万人増やすのは難しくても、9割本業+1割農業という『10%農家』を1000万人増やし、100万人分の労働力を生み出すことは決して実現不可能ではないと考えています」