スマホやZoomで「オンライン果物狩り」からスタート 身近なデジタルとエンタメの魅力で新しい農業を体感
農家は事務作業や雑用に忙殺されることなく、観光客とのコミュニケーションをとることができ、それがリピーターへとつながっていきます。 観光客にとっても、果物の種類や収穫の目安などの基本情報は、QRコードから動画をチェックすればいいので、より簡単に果物狩りを楽しめます。デジタルによる多言語で、外国人観光客にも対応できます。
クダモノガリプラスは、愛媛県デジタル実装加速化プロジェクトに2023年から2年連続で採択されるなど、自治体からの引き合いもあります。 髙橋「最低限のデジタル化で一気通貫したパッケージなので、ITリテラシーが乏しい農家でもシンプルに使えます。何よりお金をかけずに観光農園を始める仕組みであることが、ニーズの高さにつながっています」 ノウタスではこのほかにも農家向けお天気アプリ開発、リモートで働ける地方創生・農林水産業に特化した人材マッチングなどを展開。人材マッチングでは、専門分野を生かした兼業案件に特化し、コンサル業務などのマッチングも多くあります。
ラジオというエンタメで農業を発信
さらにノウタスの理念を具現化していくものとして、ラジオ番組制作というまさにエンターテインメントそのものな事業もあります。 2024年4月から文化放送で放送されている「おとなりの農家さん」の番組制作に協力。リスナーに身近な“おとなりの農家さん”や、異業種から農業へ参入した人、意外な能力で農業を支援する人など、幅広く農業にまつわるゲストを迎え、情報発信をしています。 目指すのは「農家による農家のための番組」ではなく、意外な分野から農業にかかわる人たちを取り上げて発信していくことです。 髙橋「このラジオ番組を聴いて、『そういう農業へのかかわり方もあるのか!』とか『面白そうだから、自分も農業をやってみようかな』と思ってもらいたい。ラジオを楽しんでもらうことで、農業を楽しもうという気持ちになってもらえたらうれしいです。 大切なのは『体験して、楽しい』と思えること。それこそが、まさにエンターテインメントそのものです」