【ABC特集】「中学2年の2学期からひきこもりに・・・」 50人に1人が「ひきこもり」の日本 当事者に聞いた「なぜそうなったのか?どうやって抜け出したのか?」
1日16時間ネットゲームとアニメ「自分なんかゴミだな…」
ひきこもり始めたころは、1日のうち16時間はネットゲームとアニメ。あとは寝るだけの生活でした。 「食事は基本的に昼夜逆転はしてるんで、夜と朝両親に持ってこさせていました。『おい、飯持ってこい!』みたいな」 死にたいと思うことも多かったといいます。 「自分がなんかゴミだなとかクズだなみたいな過激な考えが当時ほんとにあって、死にたいな何で生きてるのかな。そこの答えは全く見つからないけど、でも死ぬのは痛いんだろうなとか。結局ゲームもアニメも暴飲暴食も起きる時間も全部現実逃避するためなんですね」 ストレスで髪を抜いてしまうため、髪型は丸刈りに。お風呂は週1回、歯磨きは年1回程度。体重は114キロまで増えました。ずっと寝たままの姿勢のため、下半身が床ずれ状態になり出血もしました。窓から外が見えることも苦痛でした。
両親の思い“最悪の事態避けるため見守る”
当時、家族はどういう思いだったのでしょうか?中谷さんの父親に話を聞きました。 (中谷さんの父) 「やっぱり最初は戸惑いましたね、さすがに」 父親は物を投げつけられることもありました。母親はフリースクールやカウンセリングに行くことを勧めましたが、拒否されたといいます。 (中谷さんの父) 「友達とかは結構お見舞いとか来てくれるんですよ。でも会えない。会わないんじゃない会えないんですね」 高校教師だった父親は、不登校生徒と向き合った経験から息子が危険な状況にあると判断しました。 (中谷さんの父) 「とにかく家に居場所を作ろうと考えました。だからパソコンも与えてます。とにかくあなたは生きてくださいよと」 正解かどうかは分からない。ただ最悪の事態を避けるため見守る。両親はそんな決断をせざるを得ませんでした。
抜け出したきっかけは“焦りや怒り”
長期化が問題となっているひきこもり。抜け出したきっかけは何だったのでしょうか? 中谷さんはこう話します。 「一番目のきっかけはやっぱり焦りですね。周りの人たちはおそらく高校も卒業して、何かしらの就職についてみたいなことを想像するとどんどん自分が何も出来ていないことを痛感させられていって」 ひきこもり始めてから5年ほどで渦巻いた焦りや怒りの感情。当時、抜け出すための行動として中谷さんの頭にあったのは、カウンセリングに通うことでした。 「カウンセリングに行ってやるか、この勢いのまま。あるいは、思い切って死んでやるかみたいな」