少子化対策「2030年までがラストチャンス」岸田首相会見6月13日(全文)※冒頭発言のみ
岸田文雄首相は13日夕、記者会見を行った。 ※岸田首相の冒頭発言のみ書き起こしています。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「岸田首相が会見 少子化対策で『若者・子育て世代の所得を伸ばす』(2023年6月13日)」に対応しております。 【動画】岸田首相が会見 少子化対策で「若者・子育て世代の所得を伸ばす」(2023年6月13日) ◇ ◇
少子化は待ったなしの課題
岸田:本日、こども未来戦略方針を閣議決定いたしましたので、そのポイントと、皆さまにお届けする支援策の内容を中心にお話しをいたします。 私は、少子化はわが国の社会経済全体に関わる問題であり、先送りのできない待ったなしの課題であるとの思いから、不退転の決意で取り組んでまいりました。2022年の出生数は過去最小の77万人、今の50歳前後にあたる第2次ベビーブーム世代と比べて4割以下となりました。急速に進む少子化、人口減少に歯止めをかけなければ、わが国の経済社会は縮小し、地域社会、年金、医療、介護などの社会保障制度を維持することは難しくなります。若年人口が急減する2030年代に入るまでが、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスです。 未婚率の上昇、出生率低下の大きな要因は、若い世代の所得の問題です。若者・子育て世代の所得を伸ばし、若い世代の誰もが結婚や子どもを産み育てたいとの希望がかなえられるよう、将来に明るい希望を持てる社会を作らない限り、少子化トレンドを反転することはかないません。
3つのポイントを重視して戦略方針を決定
また、社会全体の構造や意識を変えて、家庭内において育児負担が女性に集中している実態を改め、子育て世帯を職場が応援し、地域社会全体で支援する社会を作らなければなりません。 今回、次元の異なる少子化対策を実現するにあたって、私は3つのポイントを重視し、この戦略方針を決定いたしました。 第1のポイントは、経済成長実現と少子化対策を車の両輪とした大きなパッケージをお示しし、実行することです。新しい資本主義のもと、30年ぶりとなる高い水準の賃上げが実現し、企業部門には高い投資意欲が醸成されています。30年間続いたデフレ経済、コストカット経済の悪循環を断ち切る挑戦が確実に動き始めています。 こうした流れを確実なものとし、持続的で構造的な賃上げ等人への投資、民間投資増加の流れを加速化することで、安定的な経済成長の実現に先行して取り組んでまいります。 あわせて少子化対策の強化にあたっても、経済的支援の充実を第1の柱に据え、児童手当の大幅な拡充、高等教育費の負担軽減、出産費用の保険適用、106万円、130万円の壁の見直しなど、これまで長年指摘されながら実現できなかった経済的な支援策の拡充を思い切って実現いたします。 このように、経済成長の実現と少子化対策の強化、この両輪を通じて若者・子育て世代の所得を伸ばすことに全力を傾注していきます。 財源確保にあたっても、経済成長を阻害し、若者・子育て世代の所得を減らすことがないよう、いわばアクセルとブレーキを同時に踏むことがないよう、まずは徹底した歳出改革等によって確保することを原則とします。 このため、全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取り組みを徹底する他、既存予算を最大限活用いたします。経済を成長させ、国民の所得が向上することで経済基盤および財政基盤を確固たるものとするとともに、歳出改革等によって得られる公費の節減等の効果と、社会保険負担軽減等の効果を活用する中で、国民の実質的な追加負担を求めることなく新たな支援金の枠組みを構築し、少子化対策を進めてまいります。 第2のポイントは、2030年代までがラストチャンスであることを踏まえた規模の確保です。まず、加速化プランの規模は、3兆円半ばといたします。これにより、わが国の子ども・子育て予算は子ども1人当たりの家族関係支出で見て、OECDトップのスウェーデンに達する水準となり画期的に前進することとなります。また、今回の措置でこども家庭庁予算は5割以上が増加することとなり、こども予算倍増が現実のものとして視野に入ってきます。