なぜ中日は打てないのか…惜敗巨人戦の平田に象徴される”迷走”
中日が13日、東京ドームで行われた巨人戦に2-1で競り負けた。打撃不振に苦しむ中日は、巨人先発のエンジェル・サンチェス(31)に8回一死までノーヒットに抑えられ代打・井領雅貴(31)のヒット1本だけに終わった。中日先発の大野雄大(32)は立ち上がりに1点を失った後、立ち直ったが、田口麗斗(25)との電撃トレードでヤクルトから移籍してきた廣岡大志(24)に決勝の移籍1号を浴びた。中日打線はなぜ打てないのか。ネット上では平田良介(33)への厳しい意見が殺到している。
サンチェスに8回一死までノーヒット
貧打戦だったのか、それとも好投手戦だったのか。中日は、A・マルティネスを1軍登録、即5番で起用したが、起爆剤とはならず、サンチェスの前に、あわや”ノーヒット・ワンラン”の珍記録を献上するほど打線が沈黙した。依然として、チーム得点37、打率.214、2本塁打とすべてがセ・リーグで断トツの最下位である。この状況で借金「2」は大健闘とも言えるが、打撃戦略は“迷走“している。 中日でのコーチ経験もある前阪神2軍チーフコーチの評論家、高代延博氏は、平田の打席にドラゴンズ打線の“迷走“が象徴されていると見た。 サンチェスの制球乱でもらった二回一死一、三塁の同点機に平田はセカンドゴロで走者を還して最低限の仕事はこなした。だが、高代氏は、その打撃内容を「チーム打撃と称賛できるものではない」と問題視した。 「平田は最初から右方向へのゴロを狙っていた。あのバッティングは追い込まれてからやればいいもの。そこまではゾーンを高く目付しておき、長打を狙い、最低でも犠飛という気持ちでボールを絞っておかねばならなかった。それだけのことができるキャリアのある打者。点が取れないというチーム状況が、そうさせたのかもしれないが、逆にチームを引っ張る立場にあるベテランの平田は、こういう状況だからこそ、1点ではなく一気に逆転を狙う必要があった。寂しい打席だった」 平田は初球のカーブを右打ちしたのである。 中日打線はサンチェスの前に8つの内野ゴロと8つの三振。完全に支配された。原監督が「やや無駄な四球がいくつかあったが安定感のある非常にいいピッチング。本来のボールの走りと変化球も含めて自分のペースで投げられた」と絶賛したようにサンチェスの調子は良かった。本人も「コンディションがいいのですべてうまくいった」と語っているが、対して中日の対策はどうだったのか。 試合後、与田監督は、「ミーティングで徹底した攻略法が実践できない。迷いがあるとそうなる。自分を信じてやると決めたらやる、という割り切りが必要」とコメントした。高代氏は、「迷い」の象徴的なシーンが7回の平田の打席にあったと指摘した。