なぜ阪神は横浜DeNAを3タテできたのか
阪神が11日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦を3-2でモノにして早くも2度目の同一カード3連勝。貯金を矢野監督就任以来、最多タイとなる「7」に伸ばした。ドラフト6位の中野拓夢(24、東北福祉大→三菱自動車岡崎)がプロ初タイムリー&猛打賞の大活躍。なぜ阪神が強いのかを物語る象徴的な試合になった。
クセを盗んでダブルスチールに成功
いつから虎はソツのない野球ができるようになったのか。一回、近本、糸原の1、2番コンビの連打で作った無死一、二塁の先制機。マルテがフルカウントになって近本は、最高のスタートを切った。セットに入った阪口が投球動作に移る前にもう走っていた。 「余裕がなかったのか。(初戦の)浜口もそう。フォームを盗まれている。バッターに集中しないといけないが…」とは、三浦監督の試合後談話。 完全にクセを盗んでいたのだ。 マルテは三振。戸柱は三塁に送球したが近本は余裕のセーフ。おそらく空振りはないと踏んでのスタートのサインで、ダブルスチールのサインではなかったと思われるが、近本を追うように糸原も二塁を陥れて、結果的にダブルスチール成功となった。横浜DeNAバッテリーは牽制の気配も出さず警戒する仕草はなかった。バッテリーに余裕がなければコーチが注意を促さねばならない場面だったが、それもなく完全に意表を突かれた形になった。もっと言えば戸柱も冷静に判断して後ろの走者の糸原を二塁で刺しにいくべきだった。 今季から阪神は横浜DeNAの担当スコアラ―を変えているが丁寧な偵察も含めた阪神の事前情報収集の成果だろう。前日のゲームでもクイックのできない新人左腕の池谷から3つの盗塁を決めてダメ押し点を奪っている。このとき最初に盗塁を決めた佐藤は、池谷の初球に走っていたから、これも事前情報のたまもの。横浜DeNAバッテリーのスキを突く裏付けのある機動力である。 一死二、三塁となって大山はセカンドベース付近のゴロ。横浜DeNAは、1点仕方なしの陣形を敷いていたため、4番として最低限の仕事を果たした打席だった。しかし、予期せぬ事態が起きる。