悩めるTG4番の大山と岡本…“本塁打スランプ“を先に脱出するのは?
伝統のTG戦の第3戦目(8日・甲子園)は3-0で巨人が一矢を報いて連敗をストップした。完封負けを喫した阪神打線も勝った巨人側も深刻なのは4番の不振だ。大山悠輔(26)、岡本和真(24)は共にノーヒットに終わり12試合を終えていまだ本塁打がない。広島の鈴木誠也(26)がヤクルト戦で今季1号を放ったため12球団の4番で一発のないのは、バットを叩き折って目を腫らし8日の出場機会がなかった日ハムの中田翔(31)を含めて3人だけになった。先に本塁打スランプを脱出するのは…?
阪神・大山は50打席アーチなし
阪神の“3タテ返し”はならなかった。昨年は巨人との開幕カードで3連敗して2勝10敗と開幕ダッシュに失敗した。今季は、裏返しに好スタートを切ったが、新型コロナの陽性反応が出た丸、ウィーラーを欠く巨人の原監督もしたたかで、打線を組み替え、ここまでの2試合、配球に問題のあった大城に替えてベテランの炭谷に今季初めてスタメンマスクをかぶらせた。先発の高橋優が、「(試合前に炭谷と)コースいくとこはコース。高さのところは高さという話をしてメリハリをつけて投球できた」とふり返るほどの好リード。ポイントとなる打者のインサイドをしっかりと攻めることでスクリューボールが生きた。オープン戦で本塁打を許している黄金ルーキー佐藤に対してもインサイドを厳しく攻めた上に上下に揺さぶり三振を含む3打数ノーヒットに抑え込み足を警戒する場面では丁寧に牽制も使った。 阪神打線は7回まで1安打だったが、8回にようやくチャンスを作って高橋をマウンドから引きずり下ろした。一死二、三塁から2番手の左腕の中川に対して”不動の1番”であるはずの近本に代打・陽川を送る大胆な手を打ったが、一塁ゴロに倒れ”矢野采配”は不発に終わった。 深刻だったのは4番・大山のブレーキだ。この日は、第1打席に3球すべてインサイドにストレートを集められて三塁ゴロ。この打席が布石となって4打席凡退。0-3で迎えた9回には無死一塁で打席が巡ってきて巨人の”守護神”デラロサは初球に暴投。得点圏に走者が進んだが、外のスライダーに体が開いて空振り、次にインハイのストレートにまた空振り。巨人バッテリーに揺さぶられた挙句、外のストレートに手が出ずに見逃がしの三振。ボールの見極めができない状況を作られてしまっていた。ここまで打率.213、4打点である。 問題は”本塁打スランプ”だ。打球に角度がつかない。開幕から50打席アーチなしの自己ワースト。開幕スタメンから外れた昨年でさえ9試合目の広島戦で第1号を放っている。ここまでの2試合は、タイムリーは出ていて、4番の仕事は果たせているが、打席内容が良くないため、矢野監督は、「まだまだもっと打って欲しいし、打てるボールもまだあった。1、4番が頑張ればもっと面白くなる」とハッパをかけていた。 この日の試合前の打撃練習では、矢野監督が直接アドバイスを送るシーンもあり、スランプからいかに脱出したかという自らの現役時代の体験談などを話したという。