【定年後・60歳からの働き方③】40代、50代は今までの人生経験を武器に「学び直し」「資格取得」で自己実現。 若き日に置き去りにした「学ぶワクワク」を取り戻して60歳からの毎日を楽しむ準備を!
医療・福祉・介護分野は女性の需要が高く、長く働ける
Q. 専業主婦の期間が長く「私にはキャリアがない」と悩む女性にとって、子育てや家庭での経験が仕事につながるというのは、とてもありがたいのですが、そのほか、専業主婦の期間が長くて仕事の経験があまりない女性が、「未経験で挑戦しやすい資格」はありますか? 三宅:未経験の女性も活躍しやすく、長く働ける職業ということで人気なのは、医療・介護・福祉関連の仕事ですね。 例えば、「登録販売者」は、薬局やドラッグストアで一般用医薬品の販売ができる専門資格です。 「登録販売者」の資格を取ると、一般用医薬品の9割以上を占める第2類・第3類医薬品の販売が可能になります。風邪薬・解熱鎮痛剤・整腸剤などがこれにあてはまります。 登録販売者になるには、都道府県で実施される登録販売者試験に合格する必要があります。 また、試験合格後、勤務先の店舗がある都道府県に販売従事登録申請を行うことで登録販売者としての業務がスタートできます。 登録販売者は国家資格に準じた資格ですが、未経験でも受験可能です。 ドラッグストアで働く薬剤師は不足しており、厚生労働省が発表している令和4年度の有効求人倍率は2.2倍と、需要の高い仕事といえます。 また「医療事務」や「介護事務」は未経験の採用も比較的多く、長く働ける仕事といわれています。 資格がなくても働ける病院は多いようですが、未経験であれば、資格を取得することである程度知識をつけておけば採用に有利になりますし、自信にもつながるでしょう。 「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」は、人手不足がいわれている介護の仕事に役立つ資格。 また、仕事に役立てるためだけでなく、自分の家族のために介護の勉強をしたいということで、資格を取る人もいます。 なお、こうした学びには費用がかかるものですが、「教育訓練給付」と呼ばれる、学びたい人を支援してくれる制度があります。 政府は「リスキリング(学び直し)推進のための「教育訓練給付制度の拡充」に力を入れています。 「教育訓練給付制度」とは、雇用保険に一定期間加入している人であれば、厚生労働大臣が指定する講座を修了した場合、受講費用の一部を支給される仕組みです。 専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があり、それぞれ対象となる人の条件や給付率が異なりますので、雇用保険に加入している人は、厚生労働省のサイトの「教育訓練給付制度」を一度チェックしてみるとよいのではないでしょうか。