【サンデーLIVE!!特集】 65歳以上の3人に1人が“認知症”の予測 将来の発症左右する大注目の「MCI」とは?
認知症の発症メカニズム
そもそも、認知症の原因とされているのは「アミロイドβ」と言われる脳内で作られるたんぱく質で、実はこれは健康な人にも存在する物質です。通常は「脳内のゴミ」として分解、排出されますが、排出されずに脳に蓄積することで、健康な神経細胞にアミロイドβがまとわりつき、神経細胞が死滅。情報の伝達ができなくなり、徐々に脳が委縮する結果、アルツハイマー型認知症が進行していくと言われています。
次々登場する画期的な治療薬
去年12月に保険適用となったばかりの治療薬「レカネマブ」(エーザイと米バイオジェンが共同開発)。認知症の原因物質を取り除き、進行を抑える画期的な新薬です。 エーザイによると「症状の悪化を2~3年遅らせる可能性がある」と言い、新井医師も「これまでとは全く異なる画期的な薬」と評価しています。一方で、レカネマブは早期の症状の進行を抑える薬だけに、認知症が進んだ人は対象外で、早期のアルツハイマー型認知症の人と「MCI」の人のみが投与の対象です。 こうしたことからも、いかにMCIの段階で診断を受けることが重要なのかがわかります。
“薬を用いない予防法”もより身近に
認知症にご利益がある「ボケ封じ観音」で知られる玉川大師(東京・世田谷区)。 堂内には“少しこもったような”音のお経が響いていました… 住職の眞保さんは参拝客に「さらなるご利益を」と、今年3月、ある最新設備を全国で初めて導入しました。それが「kikippa」と言う最新のスピーカー。お経の音源を加工して“特別な音”に変え、出力しているのだと言います。
この「加工された音」が「認知症予防」と一体どう関係があるのでしょうか。開発した「ピクシーダストテクノロジーズ社」は、この“加工された音”を聞くだけで、脳内に「ガンマ波」と言われる「集中したり、記憶する時に出る脳波」が発生すると説明します。この「ガンマ波」を巡っては、認知症の原因物質とされる「アミロイドβ」がガンマ波によって減少する可能性があることが、アメリカの大学による最新の研究で分かってきたと言います。 認知症予防ではこうした薬物を用いない予防法も研究・開発が進められています。