【ABC特集】大阪府公立高の“入試日程前倒し”案に受験生への影響は 「生徒の取り合い望んでない」と私学は反発 誰がための入試改革か?
大阪府で今年度から授業料の“完全無償化”が段階的に始まり、私立人気が高まっています。 このニュースを動画で 一方、公立高校では『入試制度を変える』という大きな動きが出ています。今後、受験生にどう影響していくのでしょうか。
夏休み真っただ中の8月中旬、大阪市内で開かれた私立高校の説明会に、のべ2万人が訪れました。参加者は去年より3000人ほど増え、受験を控える中学3年生を中心に各校のブースは大にぎわいです。 (私立高校関係者) 「今で、待ち人数が50組ぐらいです。無償化の影響もあるのかなと」
今、大阪府で巻き起こっている“私立ブーム”。そのきっかけは、今年度から始まった『授業料の完全無償化』制度です。現在は、高校3年生を対象に所得制限が撤廃されていて再来年度、全学年に広がります。 (中学3年生の父親)「(Q無償化を受けて、選択肢が広がる感じは?)もちろんしています。私立も狙っていこうと思っています。大学の付属校なんかも選べるなと」 (中学3年生の母親)「公立に行きなさいというよりは、『私学も考えてみたら』と余裕が出る」 (中学3年生)「(Q私立に行きたいと思う?)はい。公立と違って校舎がきれいで、設備が整っているから」
私立の志願者数は、ここ数年で少しずつ増えています。私立のみを受験する『専願』の割合は3割を超え、過去20年で最高となりました。一方で、対照的なのが公立です。志願者数は現行の入試制度になった2016年度以降、最も少なくなり、全日制の約半数で定員割れしました。
公立の“生徒数の確保”が急務となる中、新たな動きが…。専門家らによる審議会が8月23日、公立高校の『入試制度の改革案』を公表。『入試日程を前倒しにすること』などを、府の教育委員会に提言しました。現在、3月上旬に実施している一般入試を、2月下旬に早めるべきというものです。 (大阪府学校教育審議会・浅野良一会長) 「高校に入って、つまずいてやめる人もいる。そういうことをなるべく少なくして、中学校の立場と高校の立場から、生徒についての情報交換をきちんと しようと」 不登校など、『配慮が必要な生徒に対して、中・高での引継ぎの時間をとること』が主な目的だといいます。この改革案について、保護者からは… (中学1年生の母親)「ギリギリまで合否が決まらないよりは、ちょっとでも早めに決まって、安心できるほうがいい」 (中学3年生の母親)「ゆとりができると思うので、仲間どうしでやりたいことに目を向けられそう」 (小学生の母親)「改革について、いいとは思います。ただ、本人たちにわかりやすくしてほしいです」