「タワマンに住めれば、それいいの!」年収1800万円の「ハイスペ夫」を獲得した「30代女性」を待ち受けていた受難とは
「ハイスペで高収入の人と結婚したら幸せになれると思っていたんです。現実は違いました...」 この記事の他の画像を見る 沈んだ表情で話すのは、九州地方に住む太田佳子さん(36歳・仮名)だ。 元夫とは結婚後に娘を授かったが、重度の束縛や監視される生活に我慢できず結婚3年目に終止符を打ったようだ。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。 「愛されている、と思えるうちは良いのですが、『束縛夫』をもつ妻は、次第に夫の言動のひとつひとつが気になり、重度のストレスを抱えてしまうケースが多いです。 妻が友達と会うことを嫌がる、居場所を逐一気にする、何事も連絡する必要があるなど、束縛夫には共通した行動や言動が見受けられます。また、DVに発展するケースもあるのでご注意ください」
はたから見たら幸せそうな家庭が、なぜ離婚に至ったのか。その経緯について詳しくリポートしたい。 佳子さんは20代の頃、一人暮らしの1LDKアパートの一室で「まつ毛専門サロン」を営んでいた。 主にSNSを使って集客し、お客さんは絶えることなく、リピーターが多かったよう。月収は20~30万円、稼ぎたい月は稼働時間を増やすなど工夫し、美容セミナーや同業者の交流に積極的に参加しており、仕事に対してとてもやりがいを感じていたようだ。 ある時、友人の結婚式に招待され、そこで出会ったのが3歳年上の元夫だった。 ピシッと決まったスーツに、身につけている小物や靴はハイブランド。第一印象は清潔感のある素敵な人で、すぐ惹かれたよう。 二次会で意気投合し連絡先を交換してデートを重ねた。二人が交際へ発展するには時間はかからなかった。 出会った頃は年収を気にしていなかったが、外資系企業に勤める彼の年収は1800万円程度。仕事をバリバリとこなし、株式投資や不動産投資にも積極的で、資産もあるハイスペ男子だったのだ。 「交際当時は適度に好きな物を買ってくれたり旅行へ連れて行ってくれたりして、この人と絶対結婚する! 逃がすまいと思っていましたね。私のほうが結婚に対してガツガツしていました」 その後、交際して1年が経つ頃に入籍。 新居は地上48階建てのタワマンの29階、結婚して子どもが産まれたときのことも考え、間取りは3SLDKの部屋を選んだ。平米数は100平方メートルで家賃は28万円。 まさか自分がタワマンに住むなんて思っていなかった佳子さんだったが、幸せの絶頂はタワマンに引っ越してきたときがピークだったと語る。 結婚してしばらくは、自宅マンションの一室で「まつ毛サロン」を開いた。佳子さんの既存客や友人は「いい旦那さん捕まえたね!」「こんな高層マンションに住めるなんて羨ましい」「人生勝ち組じゃん」と、羨ましがられる存在になった。 生活費はすべて夫持ちで、佳子さんが稼いだお金はすべて子どもが産まれたときのためにと貯金へ回していたようだ。 しかし、夫は自宅で楽しく仕事をしている彼女を面白く思っていなかった。 結婚から半年が経った頃、佳子さんは夫からこう告げられた。 「本当は家庭に入ってほしい。俺もある程度稼ぎがあるし、何不自由ない生活ができていると思う。今は佳子が仕事をしているから、お互い休みを調整しないと旅行も行けないでしょ。ちゃんと養うから仕事はやめて欲しい」 昔から通ってくれているお客さんには申し訳なかったが、夫の希望通りサロンは一旦閉業。 夫の出社を見送り、日中は家事をおこない、夫が帰ってくるまでに夕食を用意し、彼が急に休みになったときは旅行やお出かけについて行く。そんな日々が続く。 家事しかやることがなくなり暇を持て余した。それからというものの、夫の束縛や監視は酷くなっていった。 お互いの携帯にGPSアプリは必須、外出時には逐一報告、美容室やネイルへ行く用事以外に外出をすると嫌がり、不機嫌になる夫に気を遣って生活する日々。 「専業主婦には憧れてましたけど、子どももいないし一人で毎日家にいるのはめちゃくちゃキツかったです......。バリバリ仕事している友達を見て羨ましいと思ってたし、この先のキャリアどうなるんだろう、私の人生こんなんでいいのかな......。 いや、彼のおかげでお金には困らない『タワマン生活』ができているし、私は幸せなんだ!と自分に言い聞かせてました」