JBC「解散」でボクシング界はどうなるのか…厳しい再建の道
最大の支援者候補は東京ドームだが、昨年三井不動産にTOBされたため、よほどの再建策を示さなければ救いの手は差し伸べられないだろう。 その重要な再建プランは「経費カットと収入の増大」という曖昧なもの。 「プロボクシング協会と協議してまったく新しい(理事の)メンバーの刷新を考えている」と、人事の刷新は約束したが、ライセンス料などの値上げを打診された日本プロボクシング協会サイドも、この再建策が不透明のため、応じることへ難色を示している。 では支援者が見つからなければどうなるのか。 「努力をするとしか申し上げられない」と永田理事長はごまかしたが、前述したように最悪のケースを想定して3月14日に社団法人「JBC」を立ち上げている。 亀田裁判の賠償金については「JBCが責任をもってお支払いできるようにしたい」と永田理事長は明言したが、原則的に新たな社団法人は、訴訟の債務を引き継がなくてもOKとなるため、この社団法人を使っての再出発を模索する可能性が高い。だが、この社団法人は、永田理事長、成富事務局長の2人が理事となって登記されており、トップを含めて人心を一新しない限り“新生JBC”となっても何も変わらないだろう。 最善策としては、もう今のJBCの再建プランには見切りをつけ、日本プロボクシング協会が中心となり、第三者による新JBC設立委員会を立ち上げて、新生JBCの設立を目指すしか手はないのではないか。業界が主導した場合、興行優先となり、ボクサーの権利の確保や健康管理などに懸念が出てくるため、あくまでも、ライセンス発行や停止などの権限を持った中立組織としての新生JBCの設立が条件となる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)