「神が姿を変えているのか…」94歳“伝説の大道芸人”が人々を涙させた「あまりに神々しすぎる踊り」 病で体が動かない中、命を削って踊り続ける理由とは
「元気のいいときの踊りがみんな目に焼き付いている。それと比べられる。苦しい、悔しい。悔しさはあるよ、芸人だもの」(ギリヤークさん) もしかしたら新宿公演も、満足のいくパフォーマンスを披露できなかったことを悔しがっていたのではないだろうか、と推察する。 94歳という年齢や病気などなんのその。芸歴を重ねるごとにより良い公演にしなくてはいけないのに、と唇をかんでいるのではないか。 人前で芸を披露することすら大変な状態でも、公演の出来に厳しくこだわる。雲のように高い志を持つ大道芸人が、ギリヤークさんなのだ。
そして公演で見せる姿だけが、ギリヤーク尼ヶ崎ではない。生き方そのものがギリヤーク尼ヶ崎、まさに「全身大道芸人」だ。 2025年1月、ギリヤークさんには絶対に成し遂げたいことがあるという。 阪神・淡路大震災の被災地で、約20年間踊り続けてきた。体調の悪化によりしばらく休止していたが、震災から30年の節目に、再びあの地で踊ることを目指している。 【写真を見る】思わず涙する人も…94歳の「伝説の大道芸人」が満身創痍で見せた「あまりに神々しすぎる踊り」(11枚)
肥沼 和之 :フリーライター・ジャーナリスト