日産自動車が90%超の大幅減益 大規模リストラと三菱自動車株の売却で今後はどうなる?
有名企業の1年分に匹敵する売り上げが吹っ飛んだ
さまざまな報道を通じて先刻ご承知のことと思うが、日産自動車の状況が厳しい。まぁ日産が苦境に陥るのは「定期」のような気がしないでもないが、日産の2024年4~9月期連結業績は、営業利益が前年同期比90%減(!)の329億円となり、通期予想も大幅に下方修正された。第1四半期の時点では「通期で営業利益5000億円」という、前年比で1000億円減にとどまる見立てをした日産だったが、今回は1500億円にまで下方修正されているのだ。さらにグローバルで生産能力を20%削減するほか、人員を9000人削減するリストラ計画も策定。そして提携先である三菱自動車の持ち株34%のうち10%を売却することも発表されている。 【写真】2024年度上期(4月~9月)の財務実績を発表した日産。その最新ラインナップの画像を見る(13枚) 2024年3月に策定された中期経営計画「The Arc」では「2026年度までに、2023年度比100万台の販売増と営業利益率6%以上を目指す」「2026年度までに16車種の電動車両を含む30車種の新型車を投入」などと景気のいい話をしていた日産だったが、楽観的な計画は、わずか8カ月で絵に描いた餅となった。 今回、再び日産が苦境に立たされることになった要因は「米国と中国での販売不振による採算の悪化」であるとされている。特にアメリカ市場における収益悪化は激しい。2023年4~9月期の連結営業損益は2413億円の黒字だったが、2024年の4~9月期は41億円の赤字に。ちょっとした有名企業の1年分の売り上げに相当する金額(2454億円)が、半期で吹っ飛んでしまった計算だ。 果たして日産は今後どうなるのか? あまりにも定期的に思える「日産の苦境」だが、今度という今度は完全復活できるのだろうか? もちろん未来のことなど誰にもわからないわけだが、個人的には「……ちょっと難しいのではないか?」とも感じている。なぜならば、大変失礼ながら今現在の日産は「手に入れたいブランド」では決してなく、また「ぜひ手に入れたいクルマ」もそのラインナップになかなか見当たらないからだ。